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【大リーグ】

イチロー、前半最終戦を3安打締め メジャー通算2000試合出場を自ら祝う

2013年7月16日 紙面から

◇ツインズ10−4ヤンキース

 【ニューヨーク穐村賢】1(発)、2(打点)、3(安)打ぁ〜で、ヤンキースのイチロー外野手(39)が14日(日本時間15日)、メジャー通算2000試合出場を自ら祝った。地元でのツインズ戦に1番中堅でフル出場し、今季6号弾を含む5打数3安打2打点。終日打率も今季最高の2割8分3厘に上げ、オールスター戦(球宴)前の前半戦を終えた。チームはこの日、4−10で敗れ、貯金7ながら1995年以来となる地区4位での折り返しとなったが、イチローは右肩上がり。ヤ軍の4季ぶりの世界一奪還に向け、球宴後の後半戦も大車輪の働きを見せる。

 7回先頭で迎えた第4打席。ファウルで粘った末の9球目。内角高めの88マイル(約142キロ)の直球を完璧に捉えると、打球は失速することなく右翼席に飛び込んだ。

 「最初から(本塁打を)狙うことはなかった。ファウルにしているうちにこの辺に来たらみたいな感じ」とイチロー。この日は3回にも右前打、9回にも二塁内野安打。自身のメジャー通算2000試合目と重なった今季の前半戦最終戦を今季7度目の“猛打賞”で飾ったことで終日打率も今季最高の2割8分3厘に上げた。“持っている男”の本領発揮だった。

 節目に対する反応は「そんなことに僕は価値を感じてない。出るだけでカウントされること。長くやってりゃそうなる」と薄かった。故障者リストに入って欠場したのは、胃潰瘍にかかった2009年の一度だけ。入念な準備で試合に備え、“出て当たり前”の男に達成感はなかったが、ほぼ休みなく出続けなければ届かない、13年目前半戦での達成の意味は小さくない。「レギュラーってそういうものじゃないの? 違うの?」。そう話す顔に強い自負がかいま見えた。

 不振だった春先には一部報道で「不要論」も出た。だが結果的には95試合中89試合に出場。マリナーズ時代とは違い、打順、守備などが目まぐるしく変わる中、存在感を示した。「去年来た時から言ってるように、要は『ここをやってくれ』って言われた時に僕がいればいいと思っている」と言うが、イチローがいなければ、地区優勝争いに十分加われる、ヤ軍の今の地位もなかった。

 イチローは「(ここまでのチーム成績は)ジーターが長くいないというのが大きい。(このチームはその存在が)鍵になる。ジーターさんが帰ってくるのを願いましょう」と“主役”の完全復帰を願ったが、もちろん脇役にとどまるつもりはない。19日(同20日)再開の後半戦でも、野手最年長の背番号「31」はいぶし銀の輝きでチームを陰日なたに支え、自らの野球人生に唯一足らない「世界一の称号」獲得に向け、突き進む。

 ◆イチロー以上は5人だけ ヤ軍によると、近代メジャーといわれる1900年以降にデビューした選手で2000試合出場時点で、通算2696安打のイチローより多く安打を記録しているのは「球聖」と称されるタイ・カッブ外野手(元タイガースなど)らわずか5人しかいない。

 

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