◇巨人6−3阪神
1回表2死満塁、中越えに先制の3点適時二塁打を放つ村田=甲子園球場で
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巨人が首位攻防戦に先勝。1回に村田の二塁打で3点を先制。1点差の5回は阿部のソロで突き放し、6、8回にも1点ずつを加え、効果的に得点した。杉内は6回途中3失点でしのぎ8勝目。4人の継投で逃げ切った。阪神は巨人戦3連敗。
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弱々しい姿はすっかり消えていた。打線が機能すれば、巨人は強い!! 前半戦最後の首位攻防戦第1ラウンド。今季2敗と苦手にしていた能見から5点を奪って主導権を握ると、投手陣が反撃を3点に抑えて完勝。2試合を残して、前半戦の首位ターンを確定させた。
「両軍が集中して、高いポジションでの戦いをしているので、先勝できたのは大きい」。原監督の言葉にも確かな手応えがこもった。しかし、首位ターンを確定させた感想を聞かれても「そうですかぐらいです」と語るのみ。連覇への道のりは半ばということもあってあえて笑みを封印した。
14日までの中日戦で3連敗。ナインは明るく振る舞ったが、胸にモヤモヤを感じていたという。そのイヤな雰囲気を一変させたのは村田だった。1回2死満塁で初球の直球を狙い打ちした打球はライナーで中堅・大和の頭を超える3点適時二塁打。能見に大きな先制攻撃を浴びせた。
「チャンスの時こそ積極的にと思っていた。あれでチームが楽になったと思う」と村田。8回に11号ソロを放つなど3打数3安打4打点の固め打ち。手痛い失敗から活路を見出した男がみせた意地の一振りがチームを一夜でよみがえらせ、宿敵に苦杯をなめさせた。
7月15日は1936年に両軍が初激突した日。その日の勝利で阪神とのゲーム差は2・5に広がった。しかし、ここで原監督は気を引き締める。「厳しいゲームが続いている。でも、われわれはそれを望んでいるわけですから」。苦境ははね返すまで。慢心せず、連覇への道をしっかり歩んでいく。 (川越亮太)
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