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【コラム 撃戦記】

今ではありえない 酒・たばこ・女の“3禁”

2013年7月16日

 悲願のベルトを手に子供をリングに上げた最初のボクシング世界王者は誰だろう。私が知る限り“かっぱからげて三度がさ”のガッツ石松さんだと思う。その後で印象にあるのは辰吉丈一郎や長谷川穂積、西岡利晃ら。いずれも実力と知名度が高い王者とあって、このパフォーマンスに会場は拍手喝采。激闘の後だけに、ほのぼのとした雰囲気に包まれていた。

 かつてリングは男の戦場とされ、女人禁制だった。先日、7度目の防衛戦に挑む亀田興毅を取材したが、話の締めは子供のことと生まれてくる2人目のことで、場が和んだ。ロンドン五輪金メダリストでプロ入りした村田諒太は妻子がいる家庭持ち。ジムに夫人と子供が現れ、それを容認するジムの和やかな雰囲気に驚かされた。

 今は世界王者に限らず、世界を狙うランカーにも既婚者は多い。酒、たばこ、女の“3禁”は過去の異物で「そんなこと言ってたらボクシングをやる者なんて誰もいなくなる」と多くのオーナーは言う。今ではこれがボクシングジムで当たり前のような風景になりつつある。これには戦後生まれの団塊世代の記者は、ただなんとなくほほ笑むだけだが、寂しい“現”風景でもある。 (格闘技評論家)

 

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