名古屋グランパスのMF小川佳純(28)が対戦相手の名古屋対策を上回るような攻撃力を身につけるべきだと語った。辛勝した13日の鳥栖戦では3得点を奪ったものの、出足の早い守りの前に組織的な攻めは不十分。小川は相手の出方に応じて攻め口を変えられる、創造性の高い攻撃を今後の課題に掲げた。
結果オーライとはいかない。勝利を収めたにもかかわらず、鳥栖戦を振り返る小川の口調は歯切れが悪かった。「鳥栖は自分たちの戦い方がわかっていた。対してウチはどうだったか」
先制点こそグランパスらしいパス回しで奪ったが、2点目は玉田の個人技、3点目はFWに上がった闘莉王の高さを生かし藤本が決めた。攻撃は終始単発。小川自身も見せ場をつくれなかった。
小川は苦戦の理由に対戦相手の名古屋対策を挙げた。「敗れた大宮戦(10日)もそう。自分たちがやろうとしていることを相手は研究している」
具体的には、攻撃を組み立てる味方ボランチが狙われていると語った。「ボランチが(DFラインへ)引いてパスをさばこうとしても、そこへ前からプレッシャーをかけてくる」。苦し紛れのパスが増え、組織的な攻撃の形がつくれていない。
小川は打開策もイメージしている。「相手が前からくる分、ウチの前線は4対4になっていることが多い。数的には同数。個人の戦いで勝てば得点できる」。積極的にプレッシャーをかけてくるなら、その裏にスペースが空く。思い切った縦パスが増えてもいいと小川は語った。
「頼れる人(闘莉王)が頑張ってくれるのもいいけど、攻撃の選手としてはそういう状況にしないようにしないと」。常に闘莉王のパワープレー頼みでは先がない。チーム最多、5得点の小川が説く臨機応変のアタックを構築したい。 (木村尚公)
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