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体内時計の周期を簡単に計測する画期的な手法の開発に成功! 睡眠障害の治療に期待

ナショナル ジオグラフィック日本版 7月8日(月)10時41分配信

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体内時計の周期を簡単に計測する画期的な手法の開発に成功! 睡眠障害の治療に期待

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体内時計の周期を簡単に計測する画期的な手法の開発に成功! 睡眠障害の治療に期待
体内時計の周期の比較(提供:国立精神・神経医療研究センター)

 従来は数週間におよぶ検査が必要だった体内時計の計測を、皮膚の細胞を使って簡単に測定する方法を国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部の肥田昌子室長、三島和夫部長らの研究グループが開発した。

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 ヒトの体内時計の周期には個人差があり、その長短は、朝型夜型など寝起きのタイミングに大きく関係していることがわかっている。体内時計の周期は従来25時間とされてきたが、三島和夫部長らの研究により、日本人の平均が24時間10分であることが明らかになった。さらに、たとえば体内時計の周期が20分遅くなっただけで(24時間30分周期)、現代社会では適応に苦労し、単に夜型というのを越えて、自分の生活のリズムが1日の周期と完全にかけ離れてしまう「非同調型(概日リズム睡眠障害)」にもなりかねないことも知られている。

 したがって、体内時計の周期を知ることは睡眠障害の改善にとって極めて重要ではあるものの、これまでは自然光を完全に遮断した部屋で、数週間にわたり特別な計測をしたり、24時間続けて採血したりするなど、大きな負担を強いられてきた。対して、新しい方法は皮膚の小さな切片を一度採取するだけで済むという手軽さだ。

 24時間社会のなかで不規則な睡眠リズムに陥っている人が増加するなか、新たに開発された手法は、概日リズム睡眠障害の治療や睡眠習慣の改善につながることが大いに期待される。

Web編集部

最終更新:7月8日(月)10時59分

ナショナル ジオグラフィック日本版

 

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