急速に国力を高める中国に対し、米国が経済を重視し、「新冷戦」や「尖閣などをめぐる偶発的紛争」に陥らないよう外交配慮を重ねている姿がはっきりしてきた。
米首都ワシントンで11日に閉幕した米中両国の閣僚級の「戦略・経済対話」は、オバマ大統領と習近平国家主席の意思疎通を図るホットラインの開設で一致した。
さらに、太平洋で中国海軍が広げている海洋活動を踏まえ、米中両軍の演習などを相互に通知する制度創設を目指すことも合意した。
米軍と人民解放軍の艦船や航空機が近い距離で交錯してもお互いの演習日程や内容を把握し合い、突発的かつ無益な軍事衝突を極力避ける狙いがある。
沖縄の尖閣諸島を含めたアジア・太平洋地域での軍事的緊張は高めないという国家意思を帯びた取り組みとして評価したい。できるだけ早く具体的成果を出してもらいたい。
一方、経済面では、自由で公正な投資環境を保障する投資協定をめぐり、全分野を対象に交渉することで初めて合意した。新型ガス「シェールガス」開発での協力強化も確認している。
ことし4月の中国の米国債保有額は、2位の日本を1600億ドル上回る1兆2060億ドルに達する。米国にとっては、中国が最大の輸出先となって久しい。
安価な自国製品を大量輸出する戦略から、中国は国内産業を高度化して付加価値を高める戦略への転換を図っており、米国の最先端企業の投資を呼び込む思惑がうかがえる。
中国の市場開放への一歩を刻んだ米国の財務次官は「大変な突破口だ」と歓迎し、中国の財務次官は「米中の経済はもう離れることはできない」と応じた。両国関係の変化を直視したい。
中国国内の人権問題やサイバー攻撃問題では対立が解けなかった。6月のオバマ大統領と習近平国家主席の首脳会談で合意した「新たな形」の協力関係の具体像はまだあやふやだ。
だが、8時間に及んだ首脳会談から1カ月余で、2日に及ぶ戦略対話が開かれたこと自体、米中関係は着実な改善を示している。
歴史認識や尖閣問題を抱え、日中首脳会談は途絶えたままだ。米中が関係を深める間に日本の存在感は薄れる一方である。安倍晋三首相の外交姿勢が問われている。
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