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参院選の大争点 ブラック企業はイエスかノーか

【政治・経済】

楽天SocialNewsに投稿!
2013年7月5日 掲載

自民圧勝なら社会全体が暗黒化


 4日公示された参院選。「ブラック企業」の代名詞として立候補に批判があった前ワタミ会長を、安倍自民は結局、比例名簿に載せた。つまり「ブラック企業」を肯定したのだ。そんな自民が圧勝し、国会でねじれが解消すると、労働者にとってどんな恐ろしい社会になるのか。有権者はよくよく考えた方がいい。

「今の自民党は正しい方向に進んでいる」
 4日夕方、自民党公認のワタミ前会長、渡辺美樹(53=比例区)が、JR上野駅前で声を張り上げた。会社帰りのサラリーマンやOLなど大勢が行き交っていたが、ほとんど素通り。約10分の演説に耳を傾けていたのは、せいぜい20~30人。拍手もまばらで、公示初日にしてはお寒い限りだった。

 ワタミといえば、昨年始まった「ブラック企業大賞」で、2年連続ノミネートされている。

〈365日24時間死ぬまで働け〉
 社員に配布される会社の理念集にはそう記されている。実際、08年6月には、入社2カ月の森美菜さん(当時26歳)が過労自殺した。

「渡辺氏の公認をめぐってはネットを中心に非難ゴウゴウ。自民党内でも疑問視する声が上がり、党本部にも抗議が殺到しました」(永田町関係者)

 だから、参院選を取り仕切る石破幹事長も、週刊誌に〈党や私のところにも批判のメールや手紙が山ほど来ています。(渡辺)本人にも(ブラック企業か否か)きちんと説明するように何度も言っていますし、説明が十分でないとなれば私どもも考えます〉なんて答えていた。

 ところが、先月28日、美菜さんの遺族が、渡辺の公認撤回を求めて自民党本部を訪れたのに、門前払い。説明を求める遺族の願いを聞き入れようともしなかった。当の渡辺も4日の演説後に、「ブラック企業大賞? まったくのナンセンス。明確な基準がないまま報じられるのは、ペンの暴力」と悪びれもせずに話していた。ジャーナリストの横田一氏が言う。

「先日、美菜さんが働いていた横須賀の店を訪ねてみたんです。店内には安倍首相と渡辺氏のポスターが並べて張ってありました。そういう感覚の持ち主なんでしょう。もともと渡辺氏に声をかけたのは、教育問題で意気投合した安倍首相。だから公認されたわけです。限定正社員や解雇をカネで解決する制度の導入をもくろむ安倍政権とワタミの姿勢は、ぴったり重なり合います。安倍自民が参院選に勝ち、ねじれが解消するというのはそういうこと。大企業が優遇され、ブラック化が進み、労働者がボロ雑巾扱いされるということなのです。若者の怒りが投票率アップにつながることを期待しますよ」

 ブラック企業にイエスかノーか。これも参院選の大きな争点なのである。
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