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中国経済―不透明な体質にメスを

中国の4〜6月期の経済統計が発表され、成長の鈍化傾向がはっきりしてきた。投資、消費動向、輸出、どれをとっても力が不足ぎみだ。国際通貨基金(IMF)は、中国の今年の経済成[記事全文]

社会保障―選挙で我慢を説く勇気

財政難のなかで暮らしの安心をどう維持するか。参院選で社会保障は以前ほどの争点になっていないが、日本にとって最大の焦点のひとつだ。選挙で政治家が我慢を説く勇気を持ち、有権[記事全文]

中国経済―不透明な体質にメスを

 中国の4〜6月期の経済統計が発表され、成長の鈍化傾向がはっきりしてきた。

 投資、消費動向、輸出、どれをとっても力が不足ぎみだ。国際通貨基金(IMF)は、中国の今年の経済成長率について8・0%としていた4月時点の見通しを、わずか3カ月で7・8%へと下方修正した。

 7%台という成長率自体、さほど悪いわけではない。世界が中国に注目するのは、金融システムに爆弾を抱えているのではないか、との懸念があるからにほかならない。

 話は08年、リーマン・ショック直後に中国が打った大型景気対策にさかのぼる。当時その規模と素早さを称賛する声が多かったが、内情はお粗末だった。

 中央政府の号令を受けた地方政府は、一斉に公共事業や不動産投資に走った。資金の大半は自力調達が求められたが、銀行の通常の融資には制限が多い。

 そこで、信託会社が高利の金融商品で個人から集めた資金や、国有企業の余裕資金が流れ込んだ。これがシャドーバンキング(影の銀行)と呼ばれる、不透明な融資の膨張である。

 全体像は分からない。政府は関係する金融商品の総額を8・2兆元(約130兆円)とみているが、それをはるかに上回るとする推計もある。それが、誰も入居しないアパートやオフィスビルの建設につぎ込まれた。早晩、不良債権が表面化する。

 景気が減速しているにもかかわらず、李克強(リーコーチアン)首相は新たな景気対策に慎重だ。むしろこの機をとらえて投資を絞り、改革を進める狙いだろう。一時的に混乱はあるにせよ、判断として筋はとおっている。

 ただ、問題の根は深い。非効率な投資が横行する一方、潜在力のある民間企業に資金が回らないという金融構造。成長志向から投資に走りがちな地方政府の体質。こうした病巣に、どこまでメスを入れることができるのか。現政権の力量をはかる試金石となろう。

 中国の現状について、米国を震源に世界を揺るがせたサブプライムローンになぞらえる論調がある。当時は日本を含む各国の金融機関がかかわり、多大な影響を受けた。

 シャドーバンキングは基本的に中国の国内問題であり、事情は異なる。とはいえ、貿易、投資を通じ各国と関係を深めた世界第2の経済大国が変調をきたせば、影響は大きい。

 中国政府には、問題の所在と改革の道筋、解決の見通しについて、世界に説明していく責任がある。

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社会保障―選挙で我慢を説く勇気

 財政難のなかで暮らしの安心をどう維持するか。参院選で社会保障は以前ほどの争点になっていないが、日本にとって最大の焦点のひとつだ。

 選挙で政治家が我慢を説く勇気を持ち、有権者も耳を傾ける。そんな関係を築きたい。

 年金、医療、介護について、自民党の公約は「社会保障制度改革国民会議の審議の結果等を踏まえて必要な見直しを行う」と素っ気ない。

 できもしない「改革」を掲げるよりはましだが、何も言っていないに等しい。国民会議は有識者の集まりだ。どんな提案が示されても、政治が実現に走り回る覚悟を迫られる。

 実際、選挙後には厳しい政策の実施や難しい決定が待ち受ける。たとえば年金では、減額が視野に入ってきた。

 年金制度は、世代から世代へと受け渡す「お財布」のようなものだ。いまの受給者が使い過ぎれば、将来世代の年金が少なくなってしまう。

 このため、人口構成の変化に対応して年金を自動的に抑制する「マクロ経済スライド」という仕組みがある。04年の年金改革で導入された。

 ところが、一度も発動されていない。(1)過去の物価下落時に政治判断で高止まりさせた年金を本来の水準に下げる(2)物価が上がる、という前提条件がそろわなかったからだ。

 ただ、(1)は今年10月から1年半かけて段階的に引き下げることが決まった。(2)もアベノミクスや消費増税で、現実味を帯びてきた。

 環境が整うにつれ、減額や抑制の回避を求める声は高まる。本当に実現できるのか。

 民主党は街頭演説などで「物価が上がっても、年金が減る」と不安をあおり、「物価上昇についていく仕組みを考える」という。だが、将来世代の負担には口をつぐみ、たちが悪い。

 他の党も、日本維新の会が「年金目的の相続税」で負担増を求めるが、公明党は「年金加算の拡充」を掲げるなど、耳あたりのいい政策が目立つ。

 医療では、主に中小・零細企業の社員や家族が入る協会けんぽの保険料が昨年度、10%に達した。給料が下落傾向にあるなかでの負担増が続いている。

 その支出の4割は高齢者向け医療に回っている。現役世代への依存には限界がある。

 これからは年齢ではなく、所得や資産に応じて税や保険料を負担する方向が望ましい。余裕のある高齢者にも我慢を求めない限り、制度が維持できないことを政治は語るべきだ。

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