■日本に与える重大な影響
これはLNT仮説を誤用して、特に食品について福島事故への過剰反応ともいうべき基準見直しを実施した日本にとって特に重要だ。
世界的に認められた食品中の放射能レベルは1キログラムあたり1000ベクレル(米国の場合は同1200ベクレル/キログラム)だ。大部分はセシウム137とストロンチウム90が占めるが、こうした基準値はIAEAやUNSCEARのような組織が数十年にわたる研究にもとづいて設定している。福島の事故後、国民の放射能への不安が高まっていることがメディアで報じられたため、日本政府は不安を静めようと基準値を従来の半分に抑えた。だが不安が静まらなかったため、基準をさらに引き下げて国際基準の10分の1にした。
放射能は思っていた以上に危険である、国内の食品は有毒だと伝えれば、国民が安心すると思ったのだろうか。彼らは正気だったのか?
この結果、国民は日々口にしている食品にさらに不安になるという意図しない影響が生じ、安全な食品は危険なカテゴリーに入れられ、食品輸出は抑制され、経済的・社会的損害はさらに広がった。
通常であれば安全な食品が、突然、出荷制限の対象になった。青森県産の野生キノコ類は、1キロあたり120ベクレルの放射性セシウムが検出されたため出荷が制限された。このセシウムは福島事故とは一切関係がなく、世界中の人々が食べている食品に含まれているのと同じタイプであり、事故以前はまったく問題にされなかった。(記事「日本の規制値は厳しすぎる」を参照)
日本人はいわれ無き制裁を加えられるべきではない。だがこのような最近の動きやUNSCEARの報告書からは、日本人が制裁を受けているのは明らかだ。食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由はなかった。半減期の短い放射性核種が既に崩壊してしまったことを思えば、なおさらだ。誤った前提の一つは、日本人が汚染された食品しか摂取できないというもので、これはとんでもない見当違いだ。国際的な基準値は確固たる根拠にもとづいて設定されており、それを引き下げることは日本の農家や消費者をさらに痛めつける以外、何の役にも立たない。
UNSCEARのウォルフガング・ワイス委員長は、事故のあった原発の周辺地域の住民、労働者、子供たちには、放射能による健康への影響は一切観察されていない、と述べている。これは世界保健機関(WHO)や東京大学が既に発表した研究成果とも一致している。原発周辺地域の住人が被曝した放射線量は非常に低く、識別できるような健康被害が生じることはまったく考えられない。
日本政府は様々な失敗を犯したが、福島県で速やかに避難を実施し、汚染された食品や飲料水が消費されるのを正しく防いだ。これは旧ソ連政府が意図的に市民から情報を隠したチェルノブイリ事故とは対照的だ。
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