石炭を燃料とする北陸電力敦賀火力発電所。左下にあるのが容量拡大を計画する最終処分場=敦賀市泉で(同社提供)
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原子力発電所の長期停止で、北陸電力敦賀火力発電所(敦賀市泉)のフル稼働が続きごみとして排出される石炭灰が増加しているため、同社は発電所内の最終処分場の容量を四・五倍に拡大する。
敦賀火力発電所の稼働率は約八割だったが、東京電力福島第一原発事故後はほぼ100%になった。これに伴い、発電所から出る石炭灰は、二〇一〇年度の二十五万立方メートルから、一二年度は三十一万立方メートルと一・二倍に増えた。
石炭灰の大半はセメント原料になり、残りは有料で販売したり最終処分場で埋め立て処分したりしてきた。しかし、セメント会社が引き取る量にも限度があり、自社で確実に処分する必要性が出てきた。最終処分場の現在の容量は約十八万立方メートルで、一割の一万八千立方メートルが埋まっている。同社の計画では周辺の土地を掘削・整形し、容量を約八十三万立方メートルにする。容量の拡大で、フル稼働を想定しても埋め立て期間を十年以上延長できるという。
同社は五月に知事に敦賀火力発電所の最終処分場の設置計画変更許可を申請した。敦賀市環境審議会は「生活環境への影響がないと考えられる」と市長に答申する方針で、今後、市が提出した意見書を基に、知事が許可するかどうか判断する。
福島事故後、同社では、いずれも石油よりも安価な石炭を燃料とし総出力が百二十万キロワットと大きい敦賀火力発電所と七尾大田火力発電所(石川県)の比重が高まっている。
(増井のぞみ)
<敦賀火力発電所>1991年に1号機(50万キロワット)、2000年に2号機(70万キロワット)が運転を始めた。石炭を燃料とする。北陸電力管内のピーク時の電力需要は500万キロワットで、フル稼働した場合4分の1近くを担う。
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