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Suica情報分析し販売 戸惑いも
7月14日 19時3分

Suica情報分析し販売 戸惑いも
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JR東日本のICカード乗車券Suicaで得られた駅の利用情報などを分析し、企業などに販売するサービスが今月から始まりました。いわゆるビッグデータの新たな利用法として注目を集める一方で、Suica利用者への十分な説明がないままでのサービス開始に、戸惑いの声も広がっています。

JR東日本のICカード乗車券Suicaは現在、およそ4300万枚が発行され、このうち、定期券などで使われているものは、利用者の年齢や性別などの情報も分かっています。
このSuicaで得られた情報について大手メーカーの日立製作所は、JR東日本から有償で提供を受けて分析を行い、駅周辺への出店や広告掲載を検討している企業などに販売するサービスを今月から新たに始めました。
分析するデータは、名前や連絡先などといった個人情報を除いた利用者の年齢、性別、乗り降りする駅などで、これにより、首都圏のおよそ1800の駅がどのように利用されているか割り出すということです。
日立製作所流通システム本部の大関一博主任技師は、「どのような年齢層がどんな時間帯に利用しているか駅ごとの特徴が分かり、企業のマーケティング戦略に大いに役立つと思う」と話しています。
日立製作所によりますと、このサービスにはすでに多くの問い合わせが寄せられているということで、データの分析結果は、年間500万円から販売するということです。
一方で、利用者が残したSuicaの情報を販売することについては、JRから利用者に説明されておらず、戸惑いの声も広がっています。
日頃、JRを利用している20代の女性は「駅や街の発展に活用されるのはよいことだが、私たちが残したデータを説明なしに使われると、不安に感じてしまう」と話していました。また、40代の男性は「私たちのデータが売られていることは知らなかったので、個人情報が含まれていなくても、しっかり説明してほしい」と話していました。
これについて、プライバシーの問題に詳しい新潟大学の鈴木正朝教授は「自分のデータを使われたくないと思っても、Suicaを利用せざるをえない人もいる。データを販売する際には、匿名化の処理がきちんとなされているか第三者による検証を行い、利用者への告知もルール化する必要がある」と話しています。
こうした指摘に対して、JR東日本は「提供するデータに個人情報は含まれていません。プライバシーやセキュリティーについては厳格に取り決めており、JRとして利用者に告知や公表を行う予定はありません。引き続き、プライバシーの保護などに、最大限の配慮を行っていきたい」とコメントしています。

提供情報の内容は

JR東日本が今月から提供を始めたSuicaの情報には、利用者の名前や生年月日、連絡先などの個人情報や、Suicaを使って購入した商品の履歴は含まれていないということです。
提供されるのは、乗り降りした駅や、利用日時、料金、年齢、性別のほか、加工されたカードのID番号です。このID番号は、本来の番号とは変更されていますが、データを長期間、追跡して分析すると、利用者が特定されるおそれもあるため、プライバシー上の問題も懸念されています。
JR東日本はこうしたデータを長期間、追跡することや、利用者を特定するような行為については、契約で禁止しているとしています。また、乗降客が少ない駅のデータも分析の対象から外すなどして、利用者のプライバシーに配慮しているということです。

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