名古屋グランパスは14日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで控え組がびわこ成蹊スポーツ大(関西大学リーグ1部)と練習試合を行い、1−0で勝った。13日の鳥栖戦でスタメン落ちしたMF田口泰士(22)がフル出場して存在感をアピール。司令塔として定位置を奪回すると意欲を口にした。
沖縄育ちの田口が酷暑の中ではつらつと動いた。「きょうは全然動けていない」と苦笑いしつつも、最終ライン近くから長短のパスを繰り出してチャンスメーク。ときに相手ゴール前まで飛び出す積極プレーも見せた。
鳥栖戦での6試合ぶりのスタメン落ちは、事実上の懲罰人事だった。原因は逆転負けした10日の大宮戦。後半に田口のミスパスからカウンターを食らい、同点に追いつかれた。田口は試合翌日にストイコビッチ監督からこう諭されたという。
「1点リードしているあの場面で、あのパスはいらない」。状況判断の悪さをとがめられた。
久々に出場機会がなかった鳥栖戦。田口はベンチで自らの役割を問い直した。「ボールが全然回っていない。ベンチから見たらこんな感じなのかと思った。自分の特徴はボールを動かすこと。自分が入ったら攻撃のリズムをつくりたい」。攻撃の潤滑油としての存在意義を見出した。
鳥栖戦で田口に代わってボランチに入ったのはダニルソンと中村のコンビだが、ポジションを譲り渡したつもりはない。「(2人に)負けているとは思わない」
17日の大分戦での先発復帰こそ微妙だが、すぐに定位置を奪い返す決意だ。ベンチ降格を糧に状況判断やパスセンスに磨きをかけ、22歳がさらに進化する。 (木村尚公)
◆田鍋、冷静にゴール
練習試合でMF田鍋が唯一の得点を決めた。自慢の高速ドリブルで相手DFを置き去りにすると、冷静に左スミへシュートをねじ込んだ。田鍋は「きょうはトラップミスもあったし、もっとできた。満足してはいられない」と自らに辛口の評価。出場機会を増やすため、貪欲にアピールを続けていく。
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