米国サンフランシスコ空港で韓国のアシアナ航空機が着陸に失敗し死傷者が発生した事故について、事故が発生する82秒前に操縦士が高度1600フィート(約488メートル)で自動航法装置を切り、着陸のため手動モードに切り替える際、航空機の速度を自動で調整するオートスロットルまで同時に切っていたことが新たに明らかになった。
事故原因について調査を行っている韓米合同調査団のある関係者は10日「機体に欠陥が発生した可能性もあるが、フライトレコーダー(FDR=ブラックボックス)を分析したところ、そのような兆候は一切発見されなかった」とした上で「FDRには1600フィートで自動航法装置が切られたとの記録があるが、その時点でオートスロットルなどの自動システムが全て切られていた」と伝えた。
今回の着陸事故は事故発生直前の低高度と低速が主な原因だった。しかし高度が低くなった場合でも、一定の速度を維持するオートスロットルが正常に作動していれば、今回のような深刻な事故は防ぐことができた。そのため今回の事故原因解明の大きなポイントは、速度を自動で調整するオートスロットルが作動していたか切れていたかという点に集約されてきた。操縦士たちは米国国家運輸安全委員会(NTSB)での聞き取り調査で「(オートスロットルを切ったかどうかについては)覚えていない」と証言していることが分かった。
サンフランシスコ現地に派遣されている国土交通部(省に相当)の調査チームは、事故発生の82秒前にオートスロットルが切られた状態だった点を根拠に、事故原因が「機体の欠陥」よりも「操縦士のミス」によるものへと調査の重点がシフトしていることも伝えた。