福島の今を中学生取材 被災地伝えるプロジェクト 5人が南相馬訪問
東日本大震災の被災地を全国の中学生がリポートする「写真で綴(つづ)る、被災地の『いま』を伝えるプロジェクト」で、5人の中学生が13日、南相馬市を訪れた。復興が進まない小高区の様子や、太陽光発電と野菜栽培を組み合わせた教育施設、住民の心の支えである伝統の相馬野馬追の準備などを取材し、本県の現状に理解を深めた。
被災地に笑顔を広げ、全国に東北を発信するため福島民報社、河北新報社、岩手日報社が合同で取り組む「スマイルとうほくプロジェクト」の一環。ニコンが特別協賛した。
訪れた中学生は西村和紘君(さいたま市立木崎中2年)、中野萌さん(広島県呉市立広中央中3年)、多田優実花さん(岐阜大付属中3年)、池内勇太君(徳島県鳴門市立鳴門中3年)、加賀隼人君(秋田県大仙市立太田中3年)。フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(26)と、お笑いコンビ「ロザン」の宇治原史規さん(37)、菅広文さん(36)も同行した。
早朝、南相馬市に到着した一行は旧警戒区域の小高区の海岸線などを視察。震災から2年4カ月たってもがれきが片付けられず、雑草に覆われた被災地の様子を驚きの表情で見つめた。
原町区では南相馬ソーラー・アグリパークで、福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会半谷栄寿代表理事(60)から再生可能エネルギーの可能性などの説明を受け、発電施設や野菜栽培施設を見学した。27日の野馬追開幕に向け準備が進む同区の大原厩舎(きゅうしゃ)では、中ノ郷騎馬会の中島三喜会長(65)から、規模を縮小した一昨年、ほぼ通常開催となった昨年、今年の野馬追の概要と復興への意気込みを聞いた。5人は実際に馬に乗って騎馬武者気分を味わった。
被災地をカメラに収めた中野さんは「がれき撤去が進まず、震災直後の様子が残る小高区に驚いた」と話した。西村君は「自然エネルギーで日本を元気にしていく方法があると感じた」と語った。
訪問の様子は安田さんが本紙で月1回連載する「被災地を見たよ!」で紹介する。
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