はっきり言って処分や駆除を撲滅するというのは、トキやパンダみたいに天然記念物、絶滅危惧種として国が保護する希少種になるか、ライオンやシマウマやサイみたいに生息域が人間の生活圏と重ならない野生動物にならない限り無理だろう。
人間だって、育てられない子供を中絶したり、植物人間になってしまった身内や回復の見込みのない患者を安楽死させたり、手に負えない命を絶つことはあるのだ。
天然記念物や絶滅危惧種になって、稀少性が高まり経済価値が上がれば、処分も駆除も虐待も撲滅されるだろう。
でもそれは子孫を残し個体数を増やし種族として繁栄するという生物の根源的な欲求の実現を阻むことでもある。人間に管理されるペットとしての生き方しか認めない傲慢な考え方だ。
人間と動物が対話してお互いに権利を認め互いに権利侵害がないようにルールを作るということが不可能である以上、処分も駆除も避けられないだろう。
人間の権利侵害がないよう、人間社会への負担が過剰にならないように、自然環境への悪影響がないように、処分や駆除は一定程度必要だろう。ないほうがいいが、完全撲滅は無理だ。
不当に苦痛を与えるのがよくない。
法的な面では、痛みに配慮する義務を課すということで、一定の客観的な基準を明示することはできる。
痛みに配慮する心を生み出さなければ根本的な解決には至らない、それは教育やモラル啓発による文化水準の向上に頼るしかない。