機構側、説明不足を陳謝 南相馬の農業用水に汚染水
内閣府の除染モデル実証事業で、放射性物質を含んだ水が南相馬市の農業用水に流されていた問題で、発注した日本原子力研究開発機構の石田順一郎福島技術本部福島環境安全センター長は12日、南相馬市役所に桜井勝延市長を訪ね、排水についての説明不足を陳謝した。
石田センター長は「情報提供に足りない面があった。今後、市の要望に対応していきたい」と述べた。
桜井市長は「放出量は(全体の609トンのうち)120トンについてしか説明を受けていなかった」と抗議し、「説明不足から住民の不安が増大する結果を招いた」と作業内容の情報開示を求めた。
石田センター長は二本松市の浪江町役場も訪れ、請戸川土地改良区理事長を務める馬場有浪江町長にも陳謝した。汚染水については、「当時の国の飲料水の暫定基準値(1リットル当たり200ベクレル)以下だった」と説明。除染現場は、原子力施設などの排水基準(セシウム134、137混合で60~90ベクレル以下)を定めた放射性物質汚染対処措置法の施行規則は適用されないとの認識を示した。
佐藤雄平知事は12日の定例会見で、「事実であれば誠に遺憾。事実関係をしっかり調査し、全て開示するよう事業者にも国にも申し上げていきたい」と述べた。
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