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入札不調の割合倍増 県発注工事 昨年度22.4% 復興事業停滞を懸念


 公共事業の入札不調問題で、県発注工事(250万円超)の平成24年度の入札不調の発生率は22・4%と前年度の12・2%からほぼ倍増し、さらに悪化した。除染作業にも当たる建設業界の人手不足が要因だ。入札要件緩和など対策を講じた今年4月以降も不調傾向は続き、改善が難しい状況が浮き彫りになった。復興事業の停滞が懸念される。
 11日に県庁で開いた県入札制度等監視委で県が示した。24年度の入札件数は2758件で、このうち617件が応札なしや予定価格超過などために成立せず、不調に終わった。不調件数は前年度の374件より243件増えた。
 25年度に入ってからも4月の発生率が32・6%、5月が21・7%と改善の兆しは見られない。年度末に東日本大震災が起きた22年度は4・9%だった。
 復興業務の増大で作業員が不足し「応札なし」による入札不調が増加している。応札なしは、22年度は28件だったが、23年度は216件、24年度は383件と2年前と比べ約14倍に激増した。
 中でも、被災者の生活に直結する道路舗装や電気設備など1億円未満の工事で、応札なしによる不調発生率は24年度が14・7%で前年度の3・4%から4倍以上に増えた。
 県によると、建設業者が除染作業を担うケースが多く、作業員不足が深刻化している。県民の生活環境の改善や避難者の帰還に欠かせない除染が優先される傾向にあり、復旧・復興関係の工事を請け負う余裕がないとみている。
 不調に終わった工事は、入札せずに県が受注者を決める随意契約や、近接する複数の工事をまとめて発注することで、受注者を確保している。
 入札不調の影響で、県一般会計予算の24年度から25年度への繰越額は、前年度の2倍の3217億円に上っている。そのうち、除染費用や災害復旧工事などの復興関係事業費だけで9割を占める。

■県業者の参加要件緩和

 県はこれまで、緊急性の高い災害復旧工事の契約手続きの簡素化や、業者が計画的に受注するための発注見通しの公表など入札不調対策に取り組んできた。
 25年度からは復興JV(共同企業体)の結成要件を緩和し、県内に支店や営業所を持たない業者の参加を認めた。対象とする事業の金額も3億円以上から1億円以上に引き下げた。さらに労務単価を前年度より15%アップし、国発注工事と同水準にした。

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