日本でも1980年代半ばからの不動産バブルで都市の住宅価格が急騰し、地方ではリゾート・マンションブームも起きた。「山手線内側の地価総額で米国全土が買える」との試算が出たほどで、国じゅうが不動産フィーバーに理性を失っていたものだ。
当時の日本は、米国に大幅な円切り上げと内需拡大を強要された末の90年代にバブルが崩壊。製造業の海外シフトによる産業空洞化やデベロッパー、金融機関の倒産ラッシュの傷痕はいまも癒えていない。
一方、中国は90年代初めから本格化した改革・開放政策で日本や香港・台湾の資金やノウハウを導入。道路、鉄道などの産業基盤整備や安価な労働力を生かした輸出をバネに、世界第2の経済大国となった。
しかしここへきて労働人口が減り始め、労賃や人民元高が重なり輸出競争力が弱ってきた。先月の輸出は前年同月比3%減り、多国籍企業の東南アジア諸国などへの工場移転も活発化している。