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    ノバルティスがバルサルタンの医師主導臨床研究に社員を関与させた事を認める

    読了時間:約 2分47秒  2013年05月24日 PM08:13

    医師主導臨床研究に元社員が関与

    バルサルタンが承認された後に、日本で実施された医師主導臨床研究の論文作成に関連して、元社員が試験に関わっていたのではないか?という指摘に対しノバルティスは第三者による調査結果を公表。当初は関与を否定していたが、元社員の関与を公式に認めた。
    ノバルティスではこの問題を深刻に受け止めており、2001年から2004年の間に開始された他の医師主導臨床研究についても調査を行うという。

    元社員は5つのバルサルタンの医師主導臨床研究に関わっており、また元社員だけではなくその部下も1つの研究に関係していたということがわかった。しかし全貌の解明にはまだ至っておらず。引き続き調査を行うとしている。なお、関わったとされる社員は今月15日付で退職している。ノバルティスは「契約が切れたためで、今回の問題とは無関係」と説明した。

    今回の調査で解明されたことは、このこと以外にも、バルサルタンの医師主導臨床研究の論文のうち数本に元社員がノバルティスの社員であることを開示することなく謝辞に記載されていた事が指摘された。本来であれば論文に謝辞がある以上は社員であることを表記するように、論文の著者に対して要請を行わなければいけない。このことから医師側も元社員が関与している事実を黙認していた可能性も指摘されている。

    (この画像はイメージです)

    全貌解明のために引き続き調査

    またいくつかの研究においては、データの解析にも関わっていたことが判明している。これまでの調査では意図的にデータの操作や改ざんを行ったというようなものを示す証拠というのは判明していない。しかし独立した医師主導臨床研究において直接的に利害関係にある元社員が結果として身分を伏せた形でデータ解析に関与していたのであれば、様々な疑惑を生むのは必然であり、そのうえ元社員の関与は当時の上司も把握していたとされ、組織的な関与についても強い疑念を持たれている。

    また、本問題をうけ、日本医学会は、24日、非公開で会合を開き、利害関係のある当事者が身元を明らかにしなかったのは臨床研究のガイドラインに反するとして再発防止策を検討、その結果、臨床研究のガイドラインを改定する方針を発表した。
    今後、具体的な内容を協議していくという。

    田村厚生労働大臣も会見で「強く指導していきたい」と述べ、ノバルティスに対し何らかの行政指導をする考えを示した。(福田絵美子)

    ▼外部リンク

    ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース
    http://www.novartis.co.jp/valsartan/index.html

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