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湾岸都市、海風弱めヒートアイランドの一因に/神奈川

2013年7月14日

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 東京湾岸の都市が夏場に海からの南風を弱め、首都圏内陸部のヒートアイランド現象を深刻化させる一因になっていることが、気象庁の解析で分かった。湾岸では、緑地の代わりに増えたビルや道路で地表付近の空気が暖められ、上昇気流が生じているためで、涼しい海風が一緒に上空へ向かい、内陸部まで届いていないという。記録的猛暑だった2010年と12年の8月は、実際に南寄りの風が吹いていたことが判明。「今夏もこれまでのところ、似たような気象条件になっている」(気候情報課)としている。

 例年、夏場の気温上昇が顕著な熊谷市(埼玉県)と前橋市(群馬県)について同庁は、09~12年のヒートアイランド現象による気温の上昇幅を試算。09年と11年が0・9~1・2度だったのに対し、10年と12年は1・4~1・6度と0・5度程度高かったという。

 その原因を調べたところ、10年と12年は日照時間が長く地表付近が加熱されやすかったのに加え、涼しい海風が南寄りだったことが分かった。一方で、09年と11年は海風が東寄りだったため内陸部まで届き、気温の上昇を抑えたと分析している。

 風向きによって内陸へ到達する海風の状況が異なる理由として、同庁は海沿いにある都市の過密状況の違いを挙げている。

 南寄りの風の通り道となる都心や横浜には、人口や産業が集積。超高層ビルが立ち並び、地表は高温になりやすいコンクリートやアスファルトに覆われている。そこにエアコンや車からの人工的な排熱も加わって空気が暖められ、上昇気流が生じている。一方、茨城側からの東寄りの風は、東京湾岸のような過密した都市が途中にないため、上昇気流の影響をほとんど受けず、埼玉や群馬にも到達すると考えられるという。

 また、首都圏でヒートアイランド現象の影響を最も強く受けている場所は、都心北西部の練馬区周辺であることも判明した。10年に最大で2・4度も気温が高まっており、09~12年の上昇幅の変化は熊谷や前橋と同じ傾向を示していた。

 この点について「南寄りの海風は練馬周辺で既に弱まっていると考えられる。しかも、この辺りは都市化に伴う気温上昇も大きく、これらの影響が重なったのではないか」とみている。

 内陸部では今夏も、館林市(群馬県)で今年最高の39・5度を観測するなど猛暑日が続いているが、「太平洋高気圧の勢力が強く、関東には南からの風が吹き込んでいる。気象条件としては10年や12年に似ている」と気候情報課。気象庁が先月発表した3カ月予報によると、8月の関東甲信地方は太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多く、例年より気温が高くなる可能性がある。

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