巨人・内海哲也投手(31)が、まさかの不振に苦しんでいる。先発した12日の中日戦(ナゴヤドーム)では4回途中5失点でKOされ、チームも1―9で完敗した。2年連続最多勝を挙げ「絶対的エース」と呼ばれたのも今や昔。投げれば打たれるの繰り返しで、株は下がりっぱなしだ。そんな背信エースが付けられてしまった屈辱的なニックネームとは――。
立ち上がりから苦しんだ。初回一死満塁から内海は5番・平田に甘い初球のチェンジアップを右前に運ばれ、あっという間に2点を奪われた。
3回にも2安打で1点を献上。4回になっても立ち直れず、3安打でさらに1点を失い、続くクラークに死球を与えて二死満塁となったところで、原監督から交代を告げられた。
2番手・笠原が押し出し死球を与えたことから、4回を持たずに5失点KO…。「エース」とは呼べない背信投球だ。しかも今季は6勝(3敗)を挙げているとはいえ、内容を見れば散々。特に交流戦以降は通算100勝を前に4度も足踏みするなど7試合で計33失点、さらに5失点以上した試合が5度もある。
過去2年で33勝を挙げた絶対的エースの姿は見る陰もない。「今日は自分の球が1球も投げられなかった。フォーム、バランスを修正することもできなかった。情けないです」とうなだれた内海に、川口投手総合コーチは「厳しいね」と渋い表情。チームメートが向ける視線も厳しい。
あるチームスタッフは「テツ(内海)は“あの2年”が確変。元に戻っただけですよ」と皮肉り、こう続けた。
「制球と変化球のコンビネーションが武器だけど、決め球のチェンジアップが通じなくなり始めた2010年は防御率4点台と苦しんだ。そこから生き返ったのは“飛ばないボール”のおかげ。直球で押しても長打を浴びることが少なくなったから、投球に幅が出たんです」
確かに今回の統一球隠ぺい問題発覚後、チーム内で一番ショックを受けていたのは内海だった。WBCでもボール対応に苦しんだように、元々繊細な投手でもある。球団から説明を受けた際には「開幕前に言ってほしかった」と本音を漏らしていた。
しかもチーム内の一部では、飛ばない統一球が導入されていた過去2年間の驚異的な活躍を指して「ミスター統一球」という不名誉な異名で呼ばれているという。
「ウチの今年のエースは右が智之(菅野)、左が杉内。テツ? 裏ローテの軸というところ」(首脳陣)との声も。
とはいえ、粘り強さが持ち味の内海がこのまま終わるとは思えない。試合後は「自分を見つめ直して、鍛え直して、後半戦に臨みたい」と奮起を誓った。前半戦の悔しさをバネに「さすがエース」と言われる投球を披露して汚名を返上することができるか。追い込まれた左腕の猛奮起が求められる。
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