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稀勢の里破れ綱取りの夢消滅
2013年07月14日 10時49分

 大相撲名古屋場所7日目(13日、愛知県体育館)、大関稀勢の里は関脇豪栄道に寄り切られ3敗目を喫し、今場所の横綱昇進が完全消滅した。

 

 もう後がない豪栄道との一番。立ち合いで相手の左差しを許すと何もできないままズルズルと後退。最後は力なく土俵を割った。

 

「甘いっすね、今日も。3敗目? あーっ、まあ、明日から頑張ります。集中するだけ」。何度も繰り返した舌打ちが支度部屋に空しく響いた。

 

 今場所での綱取りの条件は「13勝以上での優勝」。中日を前に早くも3敗目を喫し、数字上の可能性すらなくなった。日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)は「もう2敗が精一杯。3敗した時点でないでしょ。(綱取りは)考えられない。残念ですよ。せっかく先場所で13連勝して…。先場所は何だったのか」。ついに協会のトップ自らが“終戦”を宣言した。

 

 綱取りの失敗は、不運が重なったからではない。勝てなくなったはっきりとした課題が浮き彫りとなったからだ。

 

 北の湖理事長は「相撲がなっていない。左で踏み込んでないし、右で引っ張り込んでいる。今場所は豪栄道も元気がない。それでも持っていかれるというのは立ち合いの威力がないということ。立ち合いを直さないと、いい方向にはいかない」と指摘。

 

 さらに「先場所の13連勝を生かそうと思ったら、残りを全部勝たないといけない。それも難しい。このままではイチからになってしまう」と厳しい見方を示した。

 

 12勝以上なら今回以上の厳しい条件になるとはいえ、来場所へ綱取りが持ち越される望みは残る。しかし歯車が狂った現状では、その望みさえも絶たれる公算が大きい。





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