阪神・秋山=甲子園球場(撮影・白鳥恵)【拡大】
今季3度目の先発となった4年目右腕が好投を見せてくれれば、一定のメドが立ったはずだったが…。虎将の切実な願いが、試合後の会見室に響くばかりとなった。
首位巨人に2・5差と好調はキープしているが、「勝負は夏場」が長丁場のシーズンの常。球宴(19、20、22日)明けの後半戦からは5連戦のあとに、6連戦が7度連続する過酷な日程が待っている。
必要不可欠となるのが能見、メッセンジャー、スタンリッジ、榎田、藤浪の後に続く“もう1枚”のローテ投手の存在。前半戦は谷間に岩田や小嶋、この日先発した秋山らを起用し“やりくり”してきたが、交流戦をはさむなど、空き日の多いスケジュールに救われた面がある。ローテーションの固定は、火急の問題なのだ。
手は打つ。和田監督の“号令”を受けたかたちで、球宴期間中に投手陣の緊急テストを敢行することが、判明した。ファーム調整中の岩田を1軍練習に合流させることが決定。他にも清原ら約3投手が上がる見通しで、シート打撃などでチェックをはかる。くすぶる第6の男たちに、単純明瞭なハッパをかけて発奮をうながす将のムチだ。
最有力候補だった秋山は四回に大量失点。和田監督は「あの回だけだった。セットポジションになると、真っすぐのスピードが落ちて変化球は高くなった。それ以外のイニングはよかったけれど…」。一気に崩れる2面性投手では、やはり信用は勝ち取れない。首脳陣からすると「使えない」となる。
求む! シックスマン-。8年ぶりのV奪回へ、成否をにぎる至上命題が、和田虎に突きつけられている。 (栃山 直樹)
(紙面から)