道内の公共工事が急増している。東日本建設業保証などが12日にまとめた4~6月の請負金額は前年同期比20%増となり、7年ぶりの水準に回復した。工事の増加で建設業の景況感は持ち直しているが、職人不足のため事業を受注しきれない懸念も高まる。長く続いた公共工事の削減により道内の主力産業である建設業の体力が低下している。
公共工事の請負金額は4~6月に3501億円となり、北海道新幹線の工事や前倒し発注が多かった前年に続き、2年連続で増えた。2006年4~6月(3769億円)に近い水準まで戻っている。
単月でみると5、6月と2カ月連続で前年同月より4割増えた。安倍政権の財政出動で増えた公共工事の発注が、5月から本格的に動きだしている。
建設会社は久しぶりの好環境と受け止める。日銀の6月の企業短期経済観測調査(短観)では道内の建設業の業況判断指数はプラス6となり、業況が「良い」と答えた企業が「悪い」とした企業を上回った。プラスは1999年9月以来、ほぼ14年ぶりだ。
ただし建設会社はもろ手を挙げて歓迎するわけではない。「仕事を選べる状況になったが、人を減らしており急に受注量を増やせない」(道央の建設会社)との声が漏れる。
労働力調査によると道内の建設業の従事者は12年に22万人となり、1990年代後半のピークより4割減った。特に型枠工などの職人不足が指摘される。国が道内で入札した公共工事では4~6月に入札が成立しない例が7%あった。前年同期の2倍の比率だった。
今後も公共工事が増えるかは見通せず、企業は人員増に踏み切りにくい。道内大手の岩田地崎建設(札幌市)は施工管理で派遣職員を採用するが「東日本大震災からの復興により東北で需要が多く、欲しいときにすぐに人材を確保できるか分からない」と話す。
道民経済計算によると道内生産額に占める建設業の比率は91年度に14.0%だったのが11年度に6.6%まで下がった。建設会社の景況感は方向としては回復しているが水準はまだ低い。公共工事の増加による道内経済底上げの効果は、かつてより生じにくくなっている。
東日本建設業保証、公共工事、日銀、岩田地崎建設
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