【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)は12日、6月の通貨供給量(マネーサプライ、M2)が前年同月比14.0%増だったと発表した。伸び率は5月に比べ1.8ポイント縮小し、昨年12月以来の低水準となった。人民銀など中国当局は銀行以外の資金調達である「影の銀行(シャドーバンキング)」を通じた信用リスクの膨張を抑制する姿勢を強めており、その効果が出始めた形だ。
中国の資金供給量の伸びは今年に入って15~16%台の高水準が続いていた。今年1~3月の経済成長率は昨年10~12月より鈍化したにもかかわらず、資金供給量の伸びは12~14%台だった2012年の水準を大きく上回り、実体経済とかけ離れてマネーが膨張していた。
背景にあるのは、高利回りの金融商品(理財商品)や企業間の余剰資金のまた貸しなど「影の銀行」の拡大だ。中国では銀行融資について金利規制など硬直的な金融制度が残っており、当局の規制の緩い「影の銀行」を通じて個人や企業の資金が地方の不動産開発などに流れ込んでいる。
中国の信用リスクの拡大に世界は懸念を強めており、人民銀は6月、短期金融市場で銀行間取引金利が急上昇しても資金供給の拡大に動かなかった。企業間のまた貸しなどを含む広義の資金調達を示す「社会融資規模」は6月に1兆400億元(約16兆円)と、5月に比べて約1500億元減少した。このうち銀行融資の新規増加額は5月より約1900億元増えたので、融資以外の資金調達手段に実質的な引き締め効果が表れた。
ただ通貨供給量の伸びは、鈍化したとはいえ、中国政府が13年通年の目標としている水準(13%前後)を依然として上回る。一方で、中国景気は生産の伸び悩みなどで減速感を強めており、資金の流れに目詰まりが起きれば景気を一段と下押しする恐れがある。中国の金融政策は引き締め、緩和の双方に動きにくい難しいかじ取りが続いている。
中国人民銀行、シャドーバンキング
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