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【大リーグ】

黒田、志願の続投で8勝目 防御率1位&30球団制覇へM1

2013年7月14日 紙面から

◇ヤンキース2−0ツインズ

 【ニューヨーク穐村賢】雨にも負けず、38歳が防御率1位に躍り出た。ヤンキースの黒田博樹投手(38)は12日(日本時間13日)、地元でのツインズ戦に先発し、5イニングを6安打無失点。4回終了後に降雨で1時間以上の中断を挟んだが、コーチの降板指示を振り切って5回も続投し、今季8勝目を挙げた。防御率は2・65でア・リーグ1位に浮上。ツ軍戦初勝利でメジャー30球団制覇にも王手をかけた。残る1球団のタイガースとは8月に対戦があり、今季中の“全米制覇”も可能性十分だ。

 誰もが降板すると思った5回のマウンドに、黒田の姿があった。開始当初から降り出した雨が強くなり、4回裏途中に1時間13分の中断。相手ベンチは先発をあきらめて救援投手を送ったが、38歳は何事もなかったように続投した。「点を取られてない状態でマウンドを降りたくなかった。1勝するのはつくづく大変だと思った」。その裏に味方が2点を取り、勝ち投手。6月19日以来の8勝目に笑みがこぼれた。

 “わがまま”を通した。メジャーでは体の負担を配慮し、1時間以上の間隔で続投させるケースはまれだ。実際、中断中にロスチャイルド投手コーチは「降板」を示唆。だが、黒田は首を縦に振らず、「ドジャースの時も1時間半くらい(実際には2時間24分)待って投げたことがある」と反論。「その時は38歳だったか?」。コーチの切り返しに言い合いとなり、ベンチの裏で押し問答。最後は「コーチが僕を説得できなかった」とマウンドへ向かい、2死一、二塁のピンチも5番ドーミットを二ゴロに打ち取って切り抜けた。

 「自分で言った以上は0点に抑えないと。結果的に勝ちが付いて良かった」。いたずらっぽく笑って振り返った90球。毎回走者を背負う苦しい展開ながら無失点に抑え、防御率は2・65とア・リーグの1位に躍り出た。過去0勝だったツ軍にも勝ち、メジャー29球団から勝利。ドジャース以外の全球団に勝った野茂英雄に並んだが、向上心の塊のような右腕は「野茂さんに並んだくらいじゃダメなんじゃないですか」と満足しない。

 これで前半戦の登板は終了。“全米制覇”へ、最後の1球団となるタイガースとは後半戦の8月9日から3試合がある。「一試合一試合の積み重ねがこういう形になっている。(防御率1位も)まだシーズン半分くらいなんで気にしてないですよ」。コツコツと経験と技を重ね、今も進化を続ける38歳。“頑固”な職人の仕事っぷりに、後半戦も注目が集まる。

 

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