【パリ＝竹内康雄】パリ近郊のエソンヌ県で12日午後５時14分ごろ（日本時間13日午前０時14分ごろ）起きた列車脱線事故で、少なくとも６人が死亡し、数十人がけがをした。このうち８人は重傷。原因は分かっておらず、仏当局が調査を進めている。仏ＡＦＰ通信は「過去25年で最も重大な事故」と報じた。パリの日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。

　脱線したのはパリ発、中部リモージュ行きの都市間特急列車（７両編成）。運行するフランス国鉄（ＳＮＣＦ）によると、385人が乗っていた。

　ＳＮＣＦなどによると、脱線はパリ南方約20キロにあるブレティニシュルオルジュ駅の手前200メートル地点で発生。ポイントを通過した際に１カ所の連結が外れ、前後に分かれた。前の４両はそのまま走り続け、駅を通過した先で複数の車両が脱線し横転。制御が利かなくなった後方３両のうち一番前の車両はプラットホームを乗り越え横転し、続く車両はホームをまたぐ形で一部が大破した。

　列車は同駅を通過する予定だった。ＳＮＣＦは規定速度以下の時速137キロで走行していたと発表した。

　現場には、救助隊員約300人と負傷者の搬送のため８台のヘリコプターが動員された。現場を訪れたオランド大統領は「真相究明のために、様々な角度から調査するよう指示した」と述べた。

　フランスは本格的な夏季休暇に入るところで、各地の駅などは旅行客で混雑していた。テレビ局の取材に答えた乗客は「（脱線した列車に）乗っていたのは若者らバカンスに行く人が多かった」と話した。