(台中 10日 中央社)日本統治時代の1925(大正14)年に当時の台湾人高校生が記した日本語の日記が、9日、中国語版「重現一九二五 台中一中先輩日記」となって出版された。当時の高校生活の様子を、台湾の生徒の視点で活き活きと伝える貴重な資料として話題を呼んでいる。
日記の主は、かつて彰化県長などを務めた故・陳錫卿さん。10年前、台中の古本市で偶然見つかり、2年前に陳さんの母校、現・台中第一高校(旧・台中州立台中第一中学校)に寄贈された。日本語で綴られた当時の学校生活を今に伝えようと、学校側は2年かけてこれを中国語に翻訳した。
当時から中部の名門校として知られた台中一中の1日は忙しく、朝6時に起床し点呼と体操、朝食後は午後3時まで授業に精を出し夜は自習、就寝は夜9時半という厳しさ。それでも生徒たちは、放課後には野球やトランプのブリッジなどを楽しみ、週に数度は連れ立って夜の「街ブラ」に繰り出すなど、受験勉強に追われる昨今の高校生よりも自由な「名門校ライフ」を謳歌していた様子がうかがえる。
また、当時の天皇・皇后結婚25周年の祝賀イベントや、皇太子訪台での奉迎儀式の練習、毎週の神社参拝など、日本の教育制度下で過ごした日々が細かく記録されている。
日本時代から続く台中一中は、2015年に創立100年を迎える。学校では、この日記によって、台中一中の100年史がより充実したものとなると喜んでいる。
(編集:荘麗玲、高野華恵)