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被害者匿名の起訴で有罪判決
7月13日 12時7分

被害者匿名の起訴で有罪判決
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兵庫県で起きた強制わいせつ未遂事件の裁判で、検察が通常は起訴状に記載する被害者の名前を書かず、裁判所も認めて、被告に有罪判決を言い渡していたことが分かりました。
被害者の2次被害を防ぐねらいの極めて異例の措置ですが、刑事裁判の専門家からは「匿名の記載が一般化すると被告の反論する権利を損ねるおそれがある」と懸念する声も出ています。

ことし3月、神戸地方検察庁明石支部は、兵庫県内で面識のない帰宅途中の女性を乱暴目的で襲おうとしたとして20代の男を強制わいせつ未遂の罪で起訴しました。
刑事裁判は、誰に対する行為で罪に問われているのか被告に明らかにして反論する権利を保障するため、通常は起訴状に被害者の名前が記載されます。
しかし、神戸地検明石支部は、女性が被告に個人情報を知られ二次被害を受けるのを恐れたことから、起訴状に記載する被害者の情報を「性別」と「年齢」だけにとどめました。
被告に被害者が特定されないようにする極めて異例の措置でしたが、神戸地裁明石支部は被告側が起訴状の記載方法を争わなかったことからそのまま裁判を進め、ことし4月、被告に有罪判決を言い渡しました。
被害者を完全に匿名化して進められた異例の裁判について、刑事裁判に詳しい高井康行弁護士は「匿名の扱いが一般化すると被告の反論する権利を保障した法の精神に反する事態になるおそれがある。起訴状には、実名でなくても被告が誰のことか具体的に分かる程度の記載が必要だと思う」と指摘しています。

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