韓流アイドルグループなどの興行を手がけるプロモーション会社を巡る投資詐欺事件で、愛知県警は詐欺容疑で逮捕した東京都江東区、会社社長、萩原勝巳容疑者（３５）ら６人について、３日にも別の顧客に対する詐欺の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。県警は、萩原容疑者らが長野、大阪など７府県の２８人から計約１億円をだまし取ったとみており、再逮捕して実態の解明を進める。

　捜査関係者によると、萩原容疑者らは２０１２年、長野県に住む高齢女性に対し、プロモーション会社「ザックコーポレーション」（東京都中野区）に投資して資金を運用すると持ちかけ、「半年に１度、１５％を目標に配当する」などとうそを告げて数百万円をだまし取った疑いが持たれている。

　県警は６月１２日、萩原容疑者らが１１年１１月と１２月、岐阜市の無職女性（７５）から２５０万円を詐取したとして詐欺容疑で逮捕した。６人全員が容疑を否認しているという。

　県警によると、萩原容疑者らは１１年８月、ザック社などに投資して資金を運用するとの名目で、「ワイズエンターテイメント投資事業有限責任組合」など三つの投資ファンドを設立。１２年４月にかけ、１口１０万円で出資を募って約１億円を集めたが、実際には投資せず、配当もほとんどしていなかったとみられる。

　同組合は、ザック社が韓国の男性アイドルグループ、東方神起（とうほうしんき）のメンバー３人が結成した「ＪＹＪ」の興行権を所有しているとし、「韓流スターをプロデュースしている」とうたって投資を勧誘していた。ザック社は資金繰りが悪化し、東京地裁が１２年７月、破産手続き開始を決定した。【三上剛輝】