熱中症対策に 塩をプラス

20~30分ごとに水分補給

 7月は「熱中症予防強化月間」(政府提唱)だ。6月は熱中症で搬送される人が急増したが、暑さが本格化するこれからは一層注意が必要となる。最近は、熱中症対策を意識した清涼飲料水が充実しており、賢く利用したい。(中西美沙子)

■まず脱水症状に注意

 熱中症は、大量の汗をかいて体液や塩分などの電解質が不足する脱水状態が続いた後、汗がかけなくなることで体が高温状態となり、めまいや頭痛、吐き気などが起こる障害の総称だ。高温多湿の環境下で起きやすい。

 神奈川県立保健福祉大学(横須賀市)の谷口英喜教授は、「予防は、十分な休息と栄養をとり、規則正しい生活をすることが基本。しかし、夏場は水分が不足しがちで、気づかないうちに脱水状態になっている場合があるのでナトリウム(塩分)が含まれた清涼飲料水などを飲むのも予防策のひとつ」という。

 厚生労働省は熱中症を予防するための水分、塩分摂取について、100ミリ・リットル当たり40~80ミリ・グラムのナトリウムを含む飲料水を20~30分ごとにカップ1~2杯程度飲むことが望ましいとしている。

甘酒、カロリーゼロ商品も

■各社が清涼飲料

 飲料メーカーも、塩分を増量した清涼飲料水を送り出している。

 サントリー食品インターナショナルが6月に発売した「塩のはちみつレモン」は、従来の「はちみつレモン」のナトリウム量が100ミリ・リットル当たり10ミリ・グラムだったのに対し、同43ミリ・グラムとした。甘みと酸味を抑えすっきりとした後味に仕上げたという。

 キリンビバレッジが2年前から販売している「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」もナトリウム量は同43ミリ・グラムだ。今年の商品は、ライチ果汁を増やしたため、ライチの甘酸っぱさが塩によって引き出されるという。

 また、冬の飲み物と思われがちな甘酒も水分、糖分、そして塩分が補給できる。そもそも江戸時代、甘酒は夏場によく飲まれ、俳句の夏の季語にもなった。森永製菓は6月に、同72ミリ・グラムのナトリウムを含んだ大容量の「冷やし甘酒1000ミリ・リットル」を発売した。

■糖分取りすぎは禁物

 ポッカサッポロフード&ビバレッジの「塩JOY(エンジョイ)サポート」は元々、大量に汗をかく建設現場などで働く人が飲むことを想定した商品で、ナトリウムは同80ミリ・グラムと多めだ。カロリーがゼロのため、昨年あたりからは、子供にカロリーを取らせたくない母親世代が購入するようになったという。「日常的に飲んでもよいが、スポーツ後や炎天下の作業後など大量に汗をかいた時に利用してほしい」(同社開発担当)という。

 谷口教授も「熱中症対策として清涼飲料水を飲む場合は、ナトリウム量など成分を確認して飲むことが大切。就寝前や起床時、入浴後、汗をかいた時などにこまめに飲むといいが、糖分の取りすぎにも注意した方がいい」とアドバイスする。

2013年7月9日 読売新聞)

本文ここまで
このサイトの使い方

ニュースなどはどなたでもご覧になれますが、医療大全や病院の実力、マークのついたコーナーは有料会員対象です。

読売デジタルサービス

読売新聞では、ヨミドクターに加え、様々なデジタルサービスを用意しています。ご利用には読売IDが必要です。

頼れる病院検索

地域や診療科目、病名など気になる言葉で検索。あなたの街の頼れる病院や関連情報の特集を調べられます。

プレゼント&アンケート


読売新聞で掲載した、先端の治療法を紹介する記事の中から、特に「保存版」として身近に備えておきたい治療法101件を厳選。ムック「受けたい最新医療101」5名様にプレゼントします。 を5名様にプレゼントします


YOMIURI ONLINE新着情報
yomiDr.記事アーカイブ

過去のコラムやブログなどの記事が一覧できます。

読売新聞からのお知らせ

イベントや読売新聞の本の情報などをご紹介します。

子育て応援団
ヨミドクター Facebook
お役立ちリンク集

すぐに使えるリンクを集めました。医療、健康、シニアの各ジャンルに分けて紹介しています。

発言小町「心や体の悩み」

人気の女性向け掲示板「発言小町」の中で、心や体の悩みなど健康について語り合うコーナー。話題のトピは?


 ・生理前のイライラについて

 ・食欲が落ちない中年女性(悲)

薬の検索Powered by QLifeお薬検索

お薬の製品名やメーカー名、疾患名、薬剤自体に記載されている記号等から探す事が出来ます。
⇒検索のヒント

yomiDr.法人サービスのご案内

企業や病院内でも「yomiDr.(ヨミドクター)」をご利用いただけます。

yomiDr.広告ガイド

患者さんから医療従事者、介護施設関係者まで情報を発信する「yomiDr.」に広告を出稿しませんか。

PR
共通コンテンツここまで