パートやアルバイトなど非正規社員として働く人が増えている。総務省が12日発表した就業構造基本調査では、役員を除く雇用者のうち非正規社員は全体で約2043万人となり、初めて2000万人を突破した。比率も38.2%と過去最大を更新した。産業構造がパート比率の高いサービス業に転換していることなどが背景にある。
20年前の調査と比べると、非正規の比率は16.5ポイント上昇した。男性・女性ともに過去最大の比率となった。正社員の比率が大きい製造業は生産拠点の海外移転などで雇用が減り、パートの多い小売やサービス業で働く人の割合が高まったことが背景だ。なかでもパートやアルバイトとして働く人が多い女性は非正規の比率が57.5%と、半数を大きく上回る。
正社員だった人が転職の時に非正規になる流れも強まっている。調査で過去5年の間に転職した人を見ると、転職前に正社員だった人のうち40.3%が非正規になった。2007年の前回調査と比べると3.7ポイント上がっている。逆に非正規社員が転職するケースでは、正社員になったのは4人に1人にあたる24.2%にとどまる。この比率も5年前より2.3ポイント下がった。仕事を変える時に、正社員を選ぶのは5年前よりも難しくなったといえる。
50代~60代の有業率は5年前と比べ男性では下がる一方、女性は上昇した。家計を補おうとパートで働く女性が増えた可能性がある。一方で非正規で働く人の割合が高い若年層は男女とも雇用が不安定なことが結婚・出産をためらう一因との指摘が多い。
仕事探しをあきらめた若者にあたる「ニート」も解消していない。15~34歳に占めるニートは5年前に比べて約1万5000人減ったものの、比率は2.3%と0.2ポイント上がった。働く意欲を失った若者が増えれば、経済の活力がそがれる。将来、低年金や生活保護の受給者になる可能性もある。
産業別に見ると、「卸売業・小売業」では約282万人、「医療・福祉」では約176万人の女性がパートやアルバイトとして働いている。高齢化に伴い伸びる福祉分野やサービス産業ほど女性が働く機会が多く、非正規の比率拡大にもつながる形だ。
過去5年間に介護や看護のために職を離れた人は約48万7000人。このうち女性は38万9000人で、8割に達する。高齢化に伴う介護や家事の負担が女性にしわ寄せされやすい状況も、女性が安定して質の高い働き方をするための壁になっている。
調査では、介護をしている全国の557万人のうち、60歳以上が約5割を占めることも分かった。「老老介護」の問題が深刻になっている現状も浮き彫りになった。
非正規社員、パート、アルバイト
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