7月12日の欧州マーケットサマリー:ポルトガル債が下落
7月12日(ブルームバーグ):欧州の為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3049 1.3097 ドル/円 99.37 98.96 ユーロ/円 129.67 129.61 株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 296.20 -.34 -.1% 英FT100 6,544.94 +1.53 +.0% 独DAX 8,212.77 +53.97 +.7% 仏CAC40 3,855.09 -13.89 -.4% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .10% -.02 独国債10年物 1.56% -.06 英国債10年物 2.33% -.05 商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,279.75 -5.25 -.41% 原油 北海ブレント 108.68 +.95 +.88%
◎欧州株:ほぼ変わらず、5週間ぶり高値近辺-米決算に注目
12日の欧州株式 相場はほぼ変わらず、前日の5週間ぶり高値近辺で取引を終えた。来週発表される米決算が注目される。この日は合併・買収(M&A)を手掛かりにして急伸する銘柄があった一方、スペインの電力会社が大きく売られた。
英エンジニアリング会社インベンシスは15%急伸。仏シュナイダーエレクトリックから約33億ポンド(約4960億円)の買収提案を受けた。英フェニックス・グループ・ホールディングスは10%上昇。スイス再保険の部門との統合に向け交渉中であることが明らかになった。スペインでは再生可能エネルギー会社や電力供給会社の利益圧迫につながる政府計画を受け、関連の公益銘柄が売られた。
ストックス欧州600指数 は前日比0.1%安の296.2で終了。一時は0.6%高となっていた。今週全体では2.7%上昇。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が10日、米経済には予見できる将来において刺激策が引き続き必要との認識を示したことと、米決算発表でシーズン一番乗りのアルコアの業績が予想を上回ったことが支えとなった。
BTIGの株式ストラテジスト、ニック・ザンダーズ氏(ロンドン在勤)は「来週は決算発表が本格化し、それが相場動向の鍵となる」と指摘。「多くの企業は第1四半期末のガイダンスで下期の回復を見込んでいたため、通期ガイダンスが注目される公算だ」と付け加えた。
シティグループやゴールドマン・サックス・グループなどが来週に決算を発表する。
この日の西欧市場で主要株価指数が上昇したのは18カ国中8カ国。英FTSE100指数は0.1%未満の上げ。独DAX指数は0.7%上昇。一方、仏CAC40指数は0.4%下げた。
原題:European Stocks Little Changed as M&AOffsets Spain Utility Drop(抜粋)
◎欧州債:ポルトガル債が下落、政局不安で-英仏独の国債上昇
12日の欧州債市場では、ポルトガル国債が下落。10年債は週ベースで、少なくとも1997年以来最長の下げを記録している。同国での政争が総選挙につながり、金融支援プログラムが脅かされるとの懸念が根強い。
ポルトガル10年債利回りは昨年11月以来の高水準に近づいた。同国の公債当局は市場環境が整えば定期的に債券を発行する方針を示した。一方、ドイツとフランス、オランダの国債は値上がり。
欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁はユーロ圏の金融政策が緩和的にとどまるとの認識を示した。アイルランド10年債利回りは1週間ぶりの大幅低下。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付け見通しを「ポジティブ(強含み)」に引き上げた。
モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オストワルト氏は「ポルトガルは政治動向を背景に売られている」と発言。「政党間の共通項はあまりないようだ。また、ポルトガルのように小さい債券市場では相場の動きが大きくなりがちだ」と続けた。
ロンドン時間午後4時54分現在、ポルトガル10年債(表面利率4.95%、2023年10月償還)利回りは前日比61ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の7.51%。3日には8.11%に達し、昨年11月21日以来の高水準となっていた。過去1年の平均は7.38%。価格はこの日、3.845下げ82.09。2年債利回りは58bp上昇の5.78%。
ドイツ10年債利回りは6bp低下し1.56%。先月19日以来の低水準である1.54%まで下げる場面もあった。フランス10年債利回りは4bp低下の2.19%。オランダ債利回りは6bp低下の1.97%。
アイルランド10年債相場は3日ぶりに上昇。利回り は7bp低下の3.90%。
英10年債相場は5営業日続けて上昇。3月以来最長の連続高となった。英米などで中銀が緩和的な政策を続けるとの観測が支えた。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日、米経済には予見できる将来において刺激策が引き続き必要との認識を示した。
ロンドン時間午後4時15分現在、英10年債(表面利率1.75%、2022年9月償還)の利回りは前日比7bp低下の2.31%と、6月20日以来の低水準。価格は0.53上げ95.38となった。前週末比では17bp低下し、3月1日終了週以降で最もきつい下げとなった。
原題:Portuguese Bonds Tumble Amid PoliticalUpheaval as Bunds Rally(抜粋)原題:Gilts Advance for a Fifth Day on StimulusOptimism; Pound Drops(抜粋)
更新日時: 2013/07/13 02:30 JST