巨人の助っ人右腕が厳しい立場に追い込まれている。12日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)では、3年目右腕の小山雄輝(24)が3戦目に今季初先発することが確実になった。一方で、その小山に先発の座を奪われ、日に日に陰が薄くなるばかりなのが、デニス・ホールトン(33)だ。不振によるショックが予想以上に大きく、早くも来季の戦力構想から漏れそうな状況だ。
巨人で今季先発を任された投手は、開幕ローテの6人と内海のけがによる緊急登板の笠原だけ。それがホールトンの不振降格でようやく欠員が出た。
今季初一軍マウンドを前にした小山は11日、ジャイアンツ球場で「層が厚いのは十分わかっています。チャンスだと思うし、6番目のイスを奪いにいきたい」と意気込みを語った。
一方で二軍調整中のホールトンもこの日同球場に姿を見せたが、小山とは反対に浮かない表情。前日の試合ではDeNAの二軍相手に6回2失点で敗戦投手になった。一軍登板は、6月23日の中日戦(6回途中4失点KO)が最後。降格した後は、首脳陣の口から名前が挙がることはなくなっている。
パ最多勝の実績を引っ提げてソフトバンクから移籍した昨季は、12勝8敗、防御率2・45の好成績を残した。だが2年契約最終年の今季は、4勝2敗と勝ち星こそ白星が先行しているとはいえ、防御率4・02と不安定。早い回にKOされることが目立つ。
すでに一軍の現場からは、ホールトンを見限っているととれるような声も聞こえる。あるチームスタッフは「DJ(ホールトン)は元々ピシャリと抑えるタイプではなく、高めに球威のある球を武器に“6回2失点”ぐらいで試合を作るタイプ。でも今年は球が飛ぶようになったことで抑えられなくなった」と話す。
調子が悪くないのに勝てないことが続き、ホールトンも次第に自信喪失に陥ってしまったという。試合前の調整方法を変更するなど工夫も試みたが、結果は出ない。打ち込まれて降板したある試合中には「ウウウ…」とうめきながら頭を抱え、ベンチ裏の小部屋に引きこもってしまったこともあったという。
ホールトンの今季年俸は2億7000万円(推定)。本来なら、多少不調でもローテで踏ん張ってもらわなければいけない投手だが、首脳陣があっさり若手起用に切り替えたのも、よほどの“重症”と見ているから。今回の中日戦で小山が好結果を残すようなら、いよいよ出番は限られてくる。
チームが連覇へ向け順調に勝ち進んでいるなか、忘れ去られた存在になっているホールトン。失ったローテのイスを奪い返すのは簡単ではなさそうだ。
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