米国株:最高値を再び更新、銀行決算を好感-UPSは下落
7月12日(ブルームバーグ):米株式相場は7営業日続伸となり、過去最高値を更新した。金融機関の決算が予想を上回ったことが手掛かり。UPSは利益予想の下方修正が嫌気され下落した。
S&P500種株価指数の業種別10指数では金融株が最大の上げ。JPモルガン・チェース とウェルズ・ファーゴ の決算では利益がアナリスト予想を上回った。UPSは安い。同社は4-6月(第2四半期)の景気減速を理由に2013年通期の利益予想を引き下げた。ボーイングも下落。英ロンドンのヒースロー空港で、駐機中の「787」(ドリームライナー)から出火したことが嫌気された。
S&P500種 株価指数は前日比0.3%上昇の1680.19。ダウ工業株30種 平均は3.38ドル(0.1%未満)上げて15464.30ドル。
ラッセル・インベストメンツのチーフ市場ストラテジスト、スティーブン・ウッド氏は電話取材に対し、「決算は極めて重要になる」とし、「その週、その月の中心的な材料になるだろう」と述べた。
S&P500種は前日に1.4%上昇し、終値ベースで過去最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が刺激策の維持を支持したことが手掛かり。
相反するメッセージ相場は一時下げる場面があった。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、債券購入を9月には縮小し始めるべきだとの見解を示したことが手掛かり。しかしその後セントルイス連銀のブラード総裁が、インフレ率が金融当局の目標である2%に向かって上昇しない限り債券購入を縮小するべきではないと指摘したことに反応し、相場は下げ止まった。
ここ6週間、金融当局者の発言を受けて市場では債券購入の縮小時期や規模を見極めようとする動きが広がり、相場が上下する要因となっている。
ボストン・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・ガウル氏は電話取材で、「金融当局が望むのは、市場が徐々に流動性主導の強さから、経済主導の強さへと変化することだ」とし、「真の意味で経済が力強さを備えているかはまだ分からない。ただ2、3年前よりはずっと近づいている」と続けた。
この日の経済指標では、7月の米消費者マインド指数が前月から予想外に低下。また6月の米生産者物価は市場予想を上回る伸びとなった。エネルギーや自動車の価格上昇が影響した。
銀行決算JPモルガンとウェルズ・ファーゴの決算を好感し、金融株の指数は1.5%上昇となった。S&P500種の構成企業でこの日決算を発表したのはこの2社のみ。
ウェルズ・ファーゴ は1.8%高の42.63ドル。同社の4-6月決算は利益が前年同期比で19%増加した。経費削減が寄与した。
JPモルガンは0.3%安の54.97ドル。同社の利益は31%増で、アナリスト予想を上回った。株式・債券トレーディングの収入が増えた。
UPS は5.8%安の86.12ドル。下落率は08年12月以降で最大。ボーイングは4.7%値下がりし、101.87ドルだった。
原題:S&P 500 Extends Record as Bank Rally Overshadows UPSForecast(抜粋)
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更新日時: 2013/07/13 06:55 JST