「ココが聞きたい」鉄道収益改善策の手法は 名古屋鉄道社長・山本亜土氏

更新日:2010年 2月 5日 (金)

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「(輸送人員の減少に)底を打ったと確信できない」と山本社長

 名古屋鉄道の09年9月中間期(連結)の最終損益は、10億3600万円の赤字に転落。10年3月期の最終損益見通しも39・5%減の70億円の黒字と大幅な減益となる見通しだ。主因は輸送人員の減少や、グループ会社の業績悪化などが響いたためだ。今後の収益力向上策について、山本亜土社長に聞いた。
 ―中部経済の持ち直しの動きの一方、輸送人員は4%前後(09年10~12月)の前年割れと回復していない。
 「新型インフルエンザなどの影響が広がった昨秋に比べれば、減少幅は縮小傾向にある。しかし、下げ止まっているとか、底を打った、とかを確信できる状況には至っていない」
 「特に(名古屋駅と中部国際空港を結んでいる)『空港線』は~%のダウン。普通切符での利用が多いことから、運賃単価の下落という点で大変厳しい。非正規従業員の採用抑制など雇用・所得情勢の悪化、ビジネス客の利用減少の影響が依然続いている」
 ―中間期は単体(鉄道、不動産賃貸事業)で赤字となった。
 「08年度まで輸送人員が増加し、駅のバリアフリー化投資なども行っている。想定以上の輸送人員の急激な落ち込みで、収入の減少に対して経費をすぐに合わせるのは難しい。鉄道事業の収支改善は、基本的には、輸送動向の変化に合わせて、効率的にお客様を運ぶことに尽きる。鉄道事業の収支改善は、配当原資創出という意味で当社の最重要課題だ。聖域無き経費削減に加え、輸送効率の低い路線の見直しについても、今後、検討課題になる」
 ―連結ベースの収支に影響が大きい名鉄百貨店、名鉄不動産などグループ会社の業績は。
 「名鉄百貨店は神野(重行)社長の指揮で意識改革を進めているが、数字だけをみると大変だ。(同百貨店など名鉄系施設が入居するビル群)『駅前再開発』がスタートする十数年後、百貨店という業態に必ずしもこだわる必要はないと思うが…。名鉄不動産は東京地区でマンション販売が伸びており、売上高は足元で(対前年比で)40~50%増と急伸している。安心している」
 ―12年3月期を最終年度とする中期経営計画の目標値(連結最終損益150億円)は高いハードルになってしまった。見直す考えは。
 「(初年度だから)いまどうのこうのという議論はしていない。初年度が終わった時点で、あらためて考え直す必要性があるかもしれない」

 

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