パキスタン:銃撃された少女、国連で初演説…教育機会訴え
毎日新聞 2013年07月13日 00時39分(最終更新 07月13日 01時46分)
【ニューヨーク草野和彦】女子教育の必要性を訴え、昨年10月にイスラム武装勢力に頭を撃たれたパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさん(16)が12日、国連本部で初めて演説した。マララさんは「我々は平和と教育の実現という目標に向かって歩み続ける」と決意を述べ、国際社会にテロとの戦いや貧困の撲滅を訴えた。
この日はマララさんの誕生日で国連は「マララ・デー」と命名。マララさんは「平和と教育を受ける権利のために闘い続ける声なき女性や子供たちのために話したい」と述べた。また、「パキスタン・タリバン運動」に銃撃されたことにも触れ、「タリバンは教育や女性の力を恐れている。銃弾は我々を黙らせることはできない」と強調した。
一方でマララさんは「タリバンやイスラム過激派の子供たちにも教育を受けさせたい」と話し、インドのガンジーなど世界の活動家が訴えてきた「非暴力主義」を主張。各国政府がすべての子供に無償の義務教育の機会を与えることを求め、最後に「教育が(あらゆる問題の)唯一の解決方法です」と訴えた。
演説会場では世界各国から集まった約500人の若者の他、国連世界教育特使のブラウン前英首相、潘基文(バン・キムン)事務総長が見守り、マララさんが銃撃の後遺症を感じさせない力強い口調の演説を終えると、総立ちで拍手を送った。
マララさんは現在、治療を受けた英国で生活しており、今年のノーベル平和賞候補とも言われている。