欧州債:ポルトガル債が下落、政局不安で-英仏独の国債上昇
7月12日(ブルームバーグ):12日の欧州債市場では、ポルトガル国債が下落。10年債は週ベースで、少なくとも1997年以来最長の下げを記録している。同国での政争が総選挙につながり、金融支援プログラムが脅かされるとの懸念が根強い。
ポルトガル10年債利回りは昨年11月以来の高水準に近づいた。同国の公債当局は市場環境が整えば定期的に債券を発行する方針を示した。一方、ドイツとフランス、オランダの国債は値上がり。
欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁はユーロ圏の金融政策が緩和的にとどまるとの認識を示した。アイルランド10年債利回りは1週間ぶりの大幅低下。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付け見通しを「ポジティブ(強含み)」に引き上げた。
モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オストワルト氏は「ポルトガルは政治動向を背景に売られている」と発言。「政党間の共通項はあまりないようだ。また、ポルトガルのように小さい債券市場では相場の動きが大きくなりがちだ」と続けた。
ロンドン時間午後4時54分現在、ポルトガル10年債(表面利率4.95%、2023年10月償還)利回りは前日比61ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の7.51%。3日には8.11%に達し、昨年11月21日以来の高水準となっていた。過去1年の平均は7.38%。価格はこの日、3.845下げ82.09。2年債利回りは58bp上昇の5.78%。
ドイツ10年債利回りは6bp低下し1.56%。先月19日以来の低水準である1.54%まで下げる場面もあった。フランス10年債利回りは4bp低下の2.19%。オランダ債利回りは6bp低下の1.97%。
アイルランド10年債相場は3日ぶりに上昇。利回り は7bp低下の3.90%。
英10年債相場は5営業日続けて上昇。3月以来最長の連続高となった。英米などで中銀が緩和的な政策を続けるとの観測が支えた。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日、米経済には予見できる将来において刺激策が引き続き必要との認識を示した。
ロンドン時間午後4時15分現在、英10年債(表面利率1.75%、2022年9月償還)の利回りは前日比7bp低下の2.31%と、6月20日以来の低水準。価格は0.53上げ95.38となった。前週末比では17bp低下し、3月1日終了週以降で最もきつい下げとなった。
原題:Portuguese Bonds Tumble Amid PoliticalUpheaval as Bunds Rally(抜粋)原題:Gilts Advance for a Fifth Day on StimulusOptimism; Pound Drops(抜粋)
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更新日時: 2013/07/13 01:30 JST