思いっきり読書の喜びを堪能しました。
「フィギュアスケートに懸ける人々-なぜ、いつから、日本は強くなったのか」
(小学館101新書) [新書]
宇都宮 直子
(著) 新書: 192ページ
出版社: 小学館 (2010/1/14)
発売日: 2010/1/14

めっちゃ面白かった。
私は、小塚選手と父上、おじい様への興味は勿論ですが、日本のフィギュアスケートの発展を支えた、堤義明氏、西部グループ元オーナーに興味があってこの本を手にしたのですが、実に読み応えありました。
堤氏については、もっと書いて欲しかったと思いましたが、彼のフィギュアスケートへの貢献の偉大さはよく分かりました。彼は2005年にインサイダー取引で有罪判決を受けているので、本に書くにも気を使うと思います。
具体的な彼の貢献は大きくはページを割いていないので、この本を読んだ後にして、彼の貢献度は計り知れません。もっとそれが知りたい。
また、安藤選手、小塚選手達を支える中京大学、トヨタ自動車のスポーツ支援の姿勢、情熱が、小塚選手中心に書かれていました。
スケート選手達の実力、未来への可能性が、中京大学、トヨタ自動車を動かす。
この本は、フィギュアスケーターを、日本の至宝と捉え、それを大事にしている人々のお話です。
プリンスインアイスワールドの興行的な話、プリンス所属スケーターへのインタビューもあります。
堤氏を頂点としたプリンスホテルのフィギュアスケートへの愛の深さに圧巻です。
小塚選手親子、山田コーチ、伊藤みどり元選手へのインタビューを始め、多くの取材をして書かれた本なので、著者は、もっと書きたい事がいっぱいあったであろうと思います。
愛知の選手が主に登場しているので、今度は、東京に焦点を置いた本も、ぜひ書いて欲しい。
伊藤みどりは、やはりスケートの歴史を語る上で最も大事な方の一人であろうから、愛知中心にフィギュアスケートが語られがちですが、東京中心の本もぜひ読みたい。
東京の渡部絵美のフィギュアスケート界への貢献も大きいなんてもんじゃないと思うのですが、それがなかなか語られないのが悲しい。解説うるさかったしね。
彼女は1979年世界選手権銅メダリスト、日本女子フィギュア初のメダリストなのにな。
ブログを拝読すると、今も地道にフィギュアスケート教室などで、ご活躍なさっているようです。

東京、大阪、その他の地方を中心に日本のスケート界を支えた人たちの事も、ぜひもっと知りたいと思いました。
そしてようやく、堤氏とプリンスホテルが貢献したフィギュアスケート界の発展の歴史の全貌が見えてきそうで、何とも深く面白い。