NSA:米マイクロソフト、通信傍受に協力 英紙報道
毎日新聞 2013年07月12日 11時48分(最終更新 07月12日 15時16分)
【ロンドン小倉孝保】米国家安全保障局(NSA)による通信傍受問題で英紙ガーディアン(電子版)は11日、通信を傍受しやすいよう米インターネット大手のマイクロソフトがNSAの傍受活動に協力していたと報じた。この問題ではすでにNSAが、マイクロソフトを含む米企業9社の電子メールなどを傍受していたことがわかっているが、具体例をあげ企業側の協力が報じられるのは初めて。
NSAによる個人情報収集活動を暴露しスパイ活動などの罪で米司法当局に訴追された中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)の資料で判明した。
同紙によるとマイクロソフトは▽新しいポータルサイトを導入する際、チャット(ネット上での会話)の情報が傍受できなくなるとのNSAの懸念に応え暗号化することを避けた▽今年になって米連邦捜査局(FBI)と協力し、同社が運営するオンラインストレージサービス「スカイドライブ」へのNSAのアクセスを容易にした−−などとNSAの傍受活動に協力していたという。
NSAがこうして集めた情報はCIAやFBIと頻繁に共有され、NSAの文書ではこれを「チームスポーツ」と表現したという。
マイクロソフト以外の米企業がNSAに協力していたかどうかは不明。マイクロソフトは同紙に対し、「我々は法律を順守することに真剣だ。顧客情報の提供も法律に従って行っている」と違法性を否定している。