Updated: Tokyo  2013/07/12 16:54  |  New York  2013/07/12 03:54  |  London  2013/07/12 08:54
 

債券は続伸、米債高や円高支え-先物は2カ月ぶり高値引け

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  7月12日(ブルームバーグ):債券相場は4営業日続伸。米国債相場の上昇や外国為替市場での円高基調などが相場の支えとなった。先物の中心限月は5月10日以来の高値で引けた。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比4銭高の143円16銭で終了。この日の取引の大半は前日に約1月ぶり水準に上昇したことへの高値警戒感から売り優勢となり、マイナス圏で推移した。ただ、取引終盤にかけて米国債 が上昇したことや円高が進んだのに伴い、買いが強まった。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い0.815%で取引を開始。その後は徐々に水準を切り上げ、一時は0.83%で推移した。午後に入って再び水準を切り下げ、3時すぎは0.815%での展開となっている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは、「米長期金利がいったん安定したので国内債も買い安心感がある。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和的な金融政策が必要と言及しており、バランスを取りながら量的緩和(QE)縮小を織り込ませる方針」と説明した。

半面、日本銀行の国債買いオペ結果や高値警戒感から中期債や超長期債は売りが優勢になる場面があった。5年物112回債利回りは一時1bp高い0.305%、20年物145回債利回りは1bp高い1.725%、30年物39回債利回りは0.5bp高い1.85%に上昇した。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「昨日、急激に相場が上昇した後の反動の売りや、日銀オペの結果がさほど良くなかったことで、重たい展開。日銀オペは応札倍率が上昇し、売り需要が強かった」と分析した。

一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏によると、17日には5年債 入札を控えて、「前日には節目の0.3%を下回っており、実際に実需が出てくるか見極める試金石となる」という。5年物112回債利回りは現在0.295%で推移している。

日銀がこの日実施した国債買い入れオペ結果では、残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「10年超」の応札倍率がいずれも上昇し、売り圧力が強まっていることが示された。

11日の米国債相場は続伸。米10年国債利回り は前日比5bp低下の2.57%程度。前日にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「当面は緩和的な金融政策が必要」と発言したのを受けた買いが継続した。一方、米株相場も上昇。S&P500種株価指数は同1.4%上昇の1675.02で引けた。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、米国市場の動きについて、「バーナンキ発言で右往左往している感じ。量的緩和縮小を示唆する発言を受けて、米国債の売られ方が強く金利が急上昇したことや、新興国でトリプル安となり、余波が大きかったので、多少修正したのだろう。量的緩和を縮小することと利上げは別という話だったが、次に起きることは、9月と予想されている緩和縮小時期が後ろ倒しされていくのではないか」と解説した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/12 15:56 JST

 
 
 
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