男が宝塚市役所に火炎瓶「腹が立ってやった」

　１２日午前９時４０分ごろ、兵庫県宝塚市東洋町の宝塚市役所１階に男が火を付けた、と１１９番があった。県警によると、男はポリタンクと複数の火炎瓶を所持し、そのうち２本を投げたという。

　宝塚市消防本部によると、少なくとも２５～５０歳の男女５人が負傷し病院に搬送された。来庁していた４５歳と５０歳の女性２人と市職員３人で、いずれも軽症という。

　兵庫県警は、現住建造物等放火容疑で、現場で市職員が取り押さえた同市山本南３の１２の１、無職高橋昭治容疑者（６３）を現行犯逮捕した。県警によると、「腹が立ってやった」と容疑を認めている。税金の相談で市役所を訪れ、職員とトラブルになったとみられる。

　市によると、高橋容疑者は現場で応対した市職員に対し「俺の人生めちゃくちゃや。おまえたちが差し押さえるからこういうことになったんや」と叫んでいたという。

　捜査関係者によると、高橋容疑者はマンションの固定資産税を滞納して、預金などを差し押さえられていた。県警によると、「固定資産税の督促状が届いたため文句を言いに来た」と供述している。市によると、これまで複数回、税金の相談に訪れていた。

　消防によると、火は午前１０時５０分ごろに消し止められたが、約２２００平方メートルが燃え、市役所の全職員が庁舎外に避難した。

　県警や市によると、高橋容疑者は税金の滞納を指摘され、職員に激高。市税収納課付近で、火を付けずに火炎瓶１本を投げ、その後、火を付けた別の火炎瓶を投げつけた。現場から逃げたが、市職員が駐車場で取り押さえた。職員が消火作業に当たったが、書類に燃え移ったという。

　中川智子市長は報道陣に、１５日までの３連休は参院選や県知事選の期日前投票など、すべての業務を中止することを明らかにした。当時、市役所には職員約５００人と来庁者１００人以上がいた。

　現場の宝塚市役所は、ＪＲと阪急の宝塚駅から武庫川を挟んで南東に約２キロ。周辺には閑静な住宅街や公園、体育館などの公共施設がある。

（2013年7月12日14時37分  スポーツ報知）

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