全体練習で福田秀平（左）に打撃指導する秋山監督

　１１日現在、リーグ４位タイに沈むソフトバンクの球団フロントが波に乗り切れないチーム事情に「さすがに今の成績じゃちょっとまずい」とやきもきしている。ソフトバンク本社が１１日早朝に米国・携帯電話大手のスプリント・ネクステル社の子会社化完了を発表。実に１兆８０００億円もの巨額の資金をつぎ込んでの買収で、米国進出に成功し、これで日米で契約者９０００万人を超え、携帯電話事業の売上高で世界３位に躍り出たからだ。

　球団としては直接的な関係はないとはいえ、ホークスを愛する孫オーナーが勝負をかけた一大事業。それだけに鷹フロントは「本社は世界３位のケータイ会社になったのにチームがリーグ４位タイでは寂しすぎる」とか「孫オーナーは本業が忙しすぎて、チームの成績は気にしてなんかいないかもしれない。だけどオーナーが勝負に出ている年ですからね。こっちも花を添えないと…」と、これまで以上にチーム成績を気にしているのだ。

　もっとも、現場サイドはこの件に関して無関心で「ほとんど話題になってない。まあ、関係ないと言えば関係ないし、さすがに興味を持っている選手はいないよ」とチーム関係者。実際、ナインからは「世界３位？　そうなの？　恥ずかしい話かもしれないけど、知らなかったですよ」との声も出ているが…。

　首位・楽天まで６ゲーム差で、まだまだ逆転Ｖも十分可能な位置にいるソフトバンク。“世界３位”にふさわしい順位を勝ち取ることはできるか――。