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参院模擬投票、1票の重みを実感
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| 模擬投票で一票を投じる北辰中の生徒たち |
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21日投開票の参院選期間中の9日、本県の学生団体「選挙へGO!!」は、弘前市の北辰中学校で実際の選挙用具を使った模擬投票を行った。県内選挙で低投票率が続く中、将来の若者の投票率向上をにらんだ取り組みで、生徒たちは本番さながらの雰囲気の中、一票の重みを体感した。ただ、実際の政党名を使い投票する予定だったのが「政治的中立性を欠く」とする同校や市教委の判断で架空の政党名に変更。一方、青森市も同じ理由で模擬投票を断念するなど、教育現場で選挙を教材とすることの難しさが浮かび上がった。
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模擬投票は社会科の授業の一環で、3年生42人が参加。同市選挙管理委員会によると、選挙期間中の模擬投票実施は県内初という。
生徒は9班に分かれ、消費増税や環太平洋連携協定(TPP)など参院選の争点について意見交換。架空の「ふじ党」「王林党」「むつ党」「ジョナ党」のマニフェストを見比べて1票を投じた。
開票は参院選後の24日に行う。神諒君(14)は「全て考えが合った政党はなかったけど、自分で考えて投票した。とても勉強になった」、水島菜々子さん(15)は「今まで政治とかニュースに無関心だったので、関心を持って、選挙に参加できる年齢になったら参加したい」と話した。
模擬投票は当初、参院選比例代表に届け出た12党で行う予定だったが「短時間で比較して投票先を決めるのは中学生には難しい」(佐々木常広校長)との判断で架空の政党に変更した。市教委学校指導課の佐藤忠浩課長によると、市教委も5日、同校に「学習指導要領に基づき、政治的な中立・公平性を保つために架空の政党の方が良い」と伝えたという。
「選挙へGO!!」の福田貴宏代表(青森中央学院大4年)は「本当の政党の方が身近に感じてもらえたと思うが、教育現場で模擬投票できたのが第一歩。他市でも取り組みが広がれば」と期待した。
一方、青森市は市教委が「教育の政治的公平性、中立性を欠く恐れがある」とし、模擬投票を断念した。山谷明指導課長は「特定政党に偏った投票結果が出て、子どもが変に解釈すると、特定政党を支持するような政治教育に陥る可能性がある」と説明。市内の多くの学校では架空の政党名での模擬投票を授業で取り入れており「実際の政党名を用いた模擬投票は不要」と述べた。
「選挙へGO!!」のアドバイザーを務める佐藤淳・青森中央学院大学専任講師は「選挙期間中の模擬投票で生徒に臨場感を与え、現実の課題や争点を自分なりに考えるきっかけが生まれる」と指摘。悪化し続ける若者の低投票率を憂慮し「教育機関は危機感を持つべきでは」と述べた。
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