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掲載号:2013年6月28日号
JR横須賀線鎌倉駅の電車発車メロディーが7月1日の始発から、童謡「鎌倉」に変更される。演奏は鎌倉市出身のフルート奏者・吉川久子さん。発車メロディーに電子音ではなくフルートの生音が採用されるのはJR東日本では初の試み。
童謡「鎌倉」は文部省唱歌として知られ、歌詞には「七里ガ浜」や「稲村ガ崎」、「由比ガ浜」などの地名のほか、極楽寺や長谷観音、大仏なども登場する。鎌倉市役所では閉庁時間に毎日放送されている。吉川さんによると、しっとりとした旋律が古都・鎌倉の重厚な歴史を感じさせ、緑豊かな街の風景や日陰の涼やかさなどもイメージさせるという。
鎌倉市観光協会などでは、同駅の発車メロディーを鎌倉ならではの曲にできないかという検討が3年ほど前からあった。今回は吉川さんと同協会が中心となりJR東日本横浜支社に働きかけ、実現に至った。同社では「地域の人や観光客に『鎌倉』を感じてもらえる曲ということで、地元からの強い要請で採用を決めた」と話している。
曲で楽しさ思い出して
吉川さんは「駅は鎌倉の玄関となる場所。メロディーを耳にする度に、訪れた時の楽しさを思い出してもらえたら」と演奏への思いを話す。また一方で、「発車メロディーはお客さんの乗車を急かす目的ではないのでテンポが速くなりすぎないよう気を付けた。流せる長さにも限りがあり、原曲の良さを生かしながらバランスを保つのが難しかった」と苦労を語る。
メロディーは電車の上りと下りで曲の中の違う部分が流れ、発車が重なる時には四重奏のような響きになるという。