甲子園で調整した藤浪はブランコの内角をえぐることを予告。6月23日の対戦では左ひじに死球をぶつけていた【拡大】
幸いにも大けがにはつながらず、後日復帰。それ以来の対戦となる、12日の試合前練習中にも直接謝罪へ向かう予定だが、試合になれば別。当然、立ち向かう。ブランコは10日の広島戦(横浜)でも本塁打を放つなど、打率・320、27本塁打、77打点と驚きの数字を並べている。厳しい球を投げずに抑えることなどできない。
7日の広島戦(マツダ)で42日ぶりの白星を手にし、足を上げた際にひざにグラブをポンッと当てる新フォームにも手応えを得ている。
「精神的に楽になった部分もあったので。思い切っていける部分はあると思います」と語るように、自信が宿った剛球を力強く胸元へ投げ込めるはずだ。
前半戦終了を目前に、5勝(3敗)に到達。先発投手の好成績の目安である10勝も、おぼろげながら見えてきた。
「2けた勝てればチームの優勝というか、良い成績につながってくる。個人のことよりも、自分の投げた試合で勝てればそれでいいです」
冷静な語り口は、どこまでも新人離れしている。藤浪が“セ界最強打者”をえぐり、悲願のVもたぐり寄せる。 (長友 孝輔)
(紙面から)