和田監督からノックを受ける阪神・坂=甲子園(撮影・中川春佳)【拡大】
アップ終了後には右翼フェンス沿いに大和を呼び寄せた。一塁ベンチ前でバント練習をしていた背番号「0」にトス打撃を指示。「下(半身)を使え。上(半身)だけじゃアカン」。最近5試合で20打数4安打(打率・200)、0打点と下降気味の若虎にカツ。自ら投げるだけではなく、大和のバットを手に取り、見本も示した。大和は「『手首を返すのが早い。内からバットを出せ』といわれました。つなぎ役として貢献したい」と決意を新たにした。
和田監督が選手に直接アドバイスを送ること自体は珍しくないが、これほどまでに精力的に動いたのは今季初といっていいだろう。「絶対に失速して後半戦に入りたくない」と力を込めていた節目の球宴まであと6試合。全部獲る覚悟だ。
指揮官は「競争がチーム内でまた始まってくる」と強調した。貯金は今季最多タイの「13」まで膨らんでも関係ない。福留の穴に今成、新井良の代役として坂が現れ、レギュラーを虎視眈々と狙っている。競争こそがチームの活力。この訪れを待っていた。夏本番へ、虎が熱い。 (阿部 祐亮)
(紙面から)