山口銀行のシンクタンク、山口経済研究所(下関市)は、外国為替相場の円安傾向が山口県内企業に与える影響を調査した。有効回答企業224社の約3割は「マイナスの影響がある」と答え、「プラスの影響がある」と答えた企業の約2倍だった。
調査は5月中に実施。本年度業績への影響を聞いたところ、「ややマイナス」と答えた企業の割合は25.0%、「大きなマイナス」は4.5%で、「プラス」は15.1%にとどまった。残る55.4%は「影響なし」と答えた。
業種別にみると、製造業(101社)はマイナス影響が38.6%、プラス影響が27.7%。非製造業(123社)はマイナス影響が22.0%、プラス影響が4.9%だった。
企業規模・業種別にみると、大企業・製造業(39社)はプラス影響が43.6%、マイナス影響が35.9%。中小企業・製造業(62社)は原材料価格の上昇を主因にマイナス影響が40.3%を占め、プラス影響は17.7%にとどまった。
製造業のうち、輸送用機械や一般機械などの加工組立型産業(33社)は、輸出環境の改善でプラス影響が54.5%。化学や石油製品などの基礎素材型産業(48社)は、原材料価格の上昇を理由にマイナス影響が41.7%。食料品や繊維品などの生活関連型産業(20社)もマイナス影響が65.0%を占めた。
来年度業績への影響を聞いたところ、プラス影響を受ける企業の割合が3.9ポイント増え、マイナスの影響が3.1ポイント減少。同研究所は「ややマイナス影響のほうが大きいようだが、足元の為替水準であれば円安傾向が県内景気に及ぼす影響は限定的と考えられる」と分析している。 |