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【競馬・ボート・競輪】[ボート]津ボート開設61周年記念「G1つつじ賞王座決定戦」2013年7月12日 紙面から
津ボートの開設61周年記念「G1つつじ賞王座決定戦」が13日から18日まで、東西のトップレーサーが集結して、熱い戦いが繰り広げられる。地元ファンの期待は井口佳典、新田雄史の師弟対決だ。新田は笹川賞でSG初優勝を果たし、師匠と同じ土俵に上がって、互角の勝負を挑む。昨年の覇者・松井繁も津との相性は抜群で連覇の可能性は十分。好調キープで津に乗り込んでくる瓜生正義や辻栄蔵、SG戦線に上り詰めた峰竜太も不気味な存在。夏本番、土用の丑(うし)も間近に控え、津名物のうなぎも香ばしい香りを漂わせてファンを待っている。 三重が誇る最強師弟コンビ V譲らず三重が誇る最強師弟コンビが、地元周年で遠征陣を迎え撃つ。昨年笹川賞、オーシャンカップとSG2冠に輝いた井口佳典に、今年の笹川賞でSG初制覇した新田雄史の2人。師匠の井口は「地元の記念だし、もちろん気合は入りますよ。当然、優勝を狙うし、雄史と僕を含め三重の誰かが勝てるように頑張りたい」と地元選手たちでけん引することを誓った。 井口、新田ともに松阪市出身で、松阪工の先輩、後輩。2005年にデビューした新田にとって、憧れの存在だった井口を師事するのは自然の流れだったが、2人の関係は世間で言われる師弟関係とは少し違う。井口が言う。「僕は雄史を怒ったこともないし、指導らしい指導をしたこともないですよ。鳴り物入りで入ってきた選手だし、仲間みたいな感じでやってます」。やまと学校時代はリーグ戦勝率8・48の好成績を残し卒業記念レースでも優勝するなど、大きな期待を背負ってこの世界に飛び込んだ新田。その能力の高さゆえ、細かい指導が必要なかったのかもしれないが、理由はそれだけじゃない。そこには厳しい勝負の世界、自分自身を強く持って、成長してほしいという井口の思いがこめられている。「自分もそうだったけど、やっぱりこの世界は先輩を見て何かを感じ、盗んでいかないと身につかない」。 師匠の思いは新田にも伝わっているようで「言葉はなくとも、ターンなどいろいろ見せて教えてもらいましたよ。それにレース場に入ると、井口さんは本当に自分に厳しいんです。まだまだ自分は甘くて、マネできないですけどね」とより身近なだけに、そのすごさを痛感している。 デビューから約2年で初優勝し、A1昇格も井口が5期目、新田が4期目と、ほぼ同じ歩みでスター街道を突き進んでいる2人。今年5月、新田が井口と同じ笹川賞の舞台で、同じ黄色いカポックを着てSG初制覇したのも、単なる偶然とは思えない。同じようにややスランプも経験しながら、新ペラ制度後、鮮やかに復活を遂げた2人は、今まさに充実期を迎えたと言っていい。 直近のG2大村・誕生祭も制し、地元に凱旋(がいせん)する新田の目標はただ1つ。「まだ井口さんと一緒に優勝戦を走って、自分が優勝したことがないですからね。やってみたいです」。今年1月の当地G1・東海地区選手権は井口が優勝し、新田が準V。今度はその逆パターンで、師匠に恩返しを果たしたい。 (大久保晋) 峰、焦らず年明けの浜名湖・周年を優勝、3月の尼崎・MB大賞でも準優勝。峰竜太にとっての2013年は最高の形でスタートしたはずだった。だが、3月平和島・総理杯の3日目に痛恨のフライング。そこからリズムが一気に崩れだす。 「フライング、それに待機行動違反とかもあってリズムを崩していました」と峰は振り返って頭をかいた。だが「気持ちで動けるタイプ」という峰が調子を取り戻すのに時間はかからなかった。 5月の福岡・笹川賞で復調を感じさせる走りでの準V。本来の姿を見せるのに十分な内容を見せた。 「期替わりでうまく気持ちを切り替えることができました。それにやっぱり家族の存在が大きい。1月に子供が生まれたのですが、家族といる時間が増えたことでオンオフの切り替えがうまくできるようになった」とほほ笑む。 今年の目標はもちろんSG制覇。同世代の篠崎元志、新田雄史らに先を越された形だが「僕は彼らを引っ張っていく気持ちです」と焦りの色はない。 F休み明け2節目となるつつじ賞。復帰初戦の蒲郡では5勝を挙げ、まずまずの内容を見せた。「津でいい結果を出して、次のオーシャンC(若松、23日〜)へ向かいたい。津は水面が広くて乗りやすい。地元のからつと似ているので好きですよ」。まずはG1。峰の進撃が再び始まる。 (大野英樹) 松井、おごらず昨年の優勝は言うに及ばず、周年記念でV5を飾っている津は、松井にとって地元以上に相性がいい水面だ。「津は試運転して、回転が合わせやすいね」とエンジンの調整が自分のスタイルに合うと言う松井。 「この1カ月ぐらい、正直言って、ペラの調子が悪い」とエンジン出しに納得していない状況だけに、得意の津でリズムを取り戻したいところだ。 ただ、松井は今年前半戦を振り返って「まあまあだと思いますよ。悪いことはない」と焦りはない。4月の三国MB大賞で優勝を飾り、SG戦でもコンスタントに準優入りを果たして、賞金ランキングも13位につけている。「いい時もあれば、悪い時もある。チャンスが来た時に、いかにそれをつかみ取るかだと思ってる」と態勢を整えて、松井は好機を待つ。 いつも一年をトータルで捉えていると言う松井。賞金王決定戦出場17回。その内、3度の優勝を飾って、ボート界の“王者”として君臨する姿は貫禄にあふれている。新ペラ制度移行後も不安定要素はゼロに等しい。「ペラを作らなくなって、家族と過ごす時間が増えたことはうれしい」と話す松井だが、続けて「ボートレースにとって、これが本当にいいのか、それは自分には分からない」と、努力と忍耐で、し烈なペラ競争を戦い抜いてきた選手らしい言葉を投げかけた。 いずれにしろ、今度のつつじ賞は“王者”松井シリーズになる可能性が高い。 (外山謙一) 瓜生、迷わず今年も上半期を終え、後半戦に突入したが、瓜生は前半戦をこう振り返る。 「記念も一つ取ったし、SG戦でも準優には乗ってるから、まずまずの成績じゃないですか。むしろ、昨年よりいいぐらいですね」 総理杯、笹川賞、グラチャンで予選突破。ベスト6には乗れなかったが、焦りは皆無。特に暑くなってから調子を上げて、6月の芦屋でG1をゲット。賞金順位も6位につけて、暮れの賞金王出場を射程圏内に入れている。 新ペラ制度に変わって1年、この制度に変わったことも瓜生に余裕をもたらしている。「持ちペラ制の時は、一節に一枚は新しいペラを作って、持っていきましたからね。それがなくなっただけでも、時間的な余裕ができます」とリラックスして、レースがない時は過ごせるようになった。 直前の江戸川G1でもベスト6入りを果たして、好リズムで津に参戦してくる瓜生だが、津に関しては「反省することがある」と言う。それは、昨年の周年で準優1号艇ながら、5着に敗れたことだ。 「ペラも自分のターンもずれてました」と悔やむ。最終日は(1)(1)着で締めくくり意地を見せたが、あのレースの悔しさは脳裏に刻まれている。 「とこなめのグラチャン、それと江戸川で津のペラのイメージは作っていきます。もうペラで迷うことはないと思いますよ」と瓜生。今度は自信を持って、津を攻略する。 (外山謙一) 辻、ぶれず辻が多彩な攻めを披露してV戦線をリードする。「初日ドリーム2号艇は光栄ですね。もちろん優勝を狙って頑張ります」。主力の1人として、その期待に応える熱い走りを約束する。 津は前回3月一般戦で優勝。初戦3着後、優勝戦を含め6連勝で勝ち上がった。夏本番突入で気温など気象条件は異なるが「調整方法とかで多少のアドバンテージはあると思う」とプラス材料に挙げる。 つつじ賞は05年準V、11年も安定した走りで予選を突破。SG戦の02年チャレンジC、05年ダービーも準優戦までコマを進めている。参戦は多くない水面ながら「相性は悪くない」のイメージを持つ。 「毎年の目標はやっぱり賞金王に出ること。制度が変わっても、僕らは僕らのできることをやるだけ」。6月末に、来年度から賞金王決定戦に18選手が出場することなどグレード競走の見直しが発表されたが、レース姿勢の軸はぶれない。 「1レース1レースが勝負。前を走る選手がいれば抜くことを考える。足的には伸び型に仕上げようと、いつも考えている。そして柔軟に攻めたい」。03年蒲郡オーシャンC、05年住之江賞金王とSG2冠の攻撃型レーサーは自分のスタイルを貫く。直前の江戸川周年でFも、逆にスリットへの集中力が高まる。 (横山佳彦) ◆展望超豪華な顔ぶれとなった今回のつつじ賞。初日、2日目の12Rに組まれたダブルドリーム出場選手がシリーズ覇権争いの先頭集団をつくる。中でも井口、新田の地元師弟コンビに昨年大会5度目のVを飾った松井、充実期突入の瓜生が核になる。 6月の三国周年で通算13回目のG1優勝を飾った田中も小差。3月の平和島総理杯で優出3着などSG戦も含めコンスタントにV争いに加わり好リズムをキープ。柔軟な走りでここを勝ってさらに加速したい。服部も好調。3月のG2蒲郡MB大賞V、5月のSG福岡笹川賞優出3着など的確な調整、ハンドルワークで安定した戦いが続く。 高い攻撃力を持つ辻、峰も序盤から一気に突っ走る可能性を秘める。さらに湯川、田村、中島、白井とSG、記念でおなじみの実力レーサーもVどりへ虎視たんたん。 ドリーム組以外で注目は近況絶好調の徳増。5月の住之江G3戦を皮切りに6月G1尼崎周年、津、若松の一般戦と圧巻の4節連続Vを飾った。直前の蒲郡一般戦は優勝ならなかったが準V。その勢いに衰えはなく、今回もエンジンをハイパワーに仕上げて強気に攻める。 井口、新田以外の地元勢も気合が入る。間嶋、星野、坂口、高沖、安達が参戦。熟知した水面で地元の期待に応える走りを目指す。安達は積極的な走りで09年大会に続く制覇を狙う。 このほか魚谷、吉川、丸岡、佐々木、重野のSGウイナーに、若手の毒島、平本、桐生らも好勝負必至。
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