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【大リーグ】

川崎が決勝タイムリー 9回2死満塁で“走者一掃”の中前安打

2013年7月12日 紙面から

◇ブルージェイズ5−4インディアンス

 ブルージェイズの川崎宗則内野手(32)は10日、敵地でのインディアンス戦に9番二塁でフル出場。9回2死満塁で左中間へ“走者一掃”の適時打を放った。3点差をつけ、これで楽勝かと思いきや、その裏に自らの失策などで最後は1点差にまで迫られる冷や汗勝利。サヨナラ打を放った5月26日のオリオールズ戦に続き、ドキドキの“川崎劇場”再演となった。前日はジャイアンツの田中賢介二塁手(32)がメジャーに昇格し、デビュー戦初安打。同い年の親友に負けじと、トロントの“名物男”がまたまたファンを魅了した。

 どうにも目が離せない。2−2の同点で迎えた9回2死満塁。ビッグチャンスに川崎が燃えた。1ボール2ストライクからの4球目、90マイル(約149キロ)の外角シンカーを左中間へはじき返した。中堅手がもたつく間に、一塁走者も生還。中堅手の失策が記録されて2打点となったが、チームを勝利に大きく前進させる大きな3点をもたらした。

 「大きかったですね。本当に良かった。皆がつないでくれたから、ヒットが出て良かった」

 普通なら、このまま逃げ切ってヒーロー。だが、“川崎劇場”はすんなり終わらない。その裏の守備。1点を返され、2死一、三塁。4番スウィシャーの右前に抜けそうな打球に川崎が追いついたまでは良かったが、体勢を崩したままの一塁送球は乱れ、ファウルゾーンを転々。1点差に迫られ、なお二、三塁と一打サヨナラ負けのピンチを招いた。最後は救援右腕デラバーが後続を中飛に打ち取って事なきを得たが、一転して“戦犯”になりかねなかったミスに「ちょっと慌てたね」と胸をなで下ろした。

 まさに自作自演のドタバタ勝利。だが、球団地元紙トロントスター(電子版)は「カワサキは多くは打たないが、試合が動く時は舞台の中央にいる」と“らしい”プレーぶりを紹介。7月の安打は「カナダデー」だった1日の左前打と、この日の2本だけ。だが、5月26日のオリオールズ戦で放ったサヨナラ打や6月21日の同じくオ軍戦でマークしたメジャー初本塁打など、印象深い一打の多さに同紙は「まだカワサキ伝説は続いている」と伝えた。

 前日は日本でも親交の深かった田中がメジャーに昇格。親友のデビュー戦安打を喜んだが、米国でのプレーを誰よりも満喫しているのは川崎自身だ。「野球は0−10で負けても楽しい。捕手でも外野手でも投手でもやりますよ。僕は野球選手ですから」。打率は2割1分4厘。でも、浴びる拍手と歓声、存在感はメジャー級。“記録より記憶に残る”男が、まだまだトロントを盛り上げる。

 

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